雰囲気はのんびりだけど犯人特定は秒! 当て逃げ被害を届けにイタリアの警察にいったらお国柄全開だった【みどり独乙通信】 (2/2ページ)

犯人手配は素早いが事故証明書の発行は……

 具体的な状況説明や調書作成のために警察署内の待合室でしばらく待つ必要があったのですが、さまざまな詐欺の注意勧告を促すビデオがモニターに流れていて、ビデオに出演されている方々の大根役者ぶりがとても面白くて思わず見入ってしまいました。

 恐らく国民のみなさんに興味をもって貰えるような、大袈裟でベタな演技でわかりやすく作られているのだと思います。無音の映像でしたが、外国人の私にも十分理解ができて待ち時間を楽しく過ごせました。とくにセクシーな装いの美しく若い美女が登場し、偶然の出会いを装ってご老人を狙う美人局バージョンは一番素晴らしかったです(笑)。

 名前を呼んでもらってから警察官がいる部屋へと向かったのですが、持参した逃走犯のナンバーを移した証拠写真からすぐに逃走犯が特定され、顔写真を見せられました。「この男で間違いないですか?」と見せられた男の顔は、凶悪なマフィアのような顔写真に見えました(笑)。

 イタリア警察署員の方がもっているスマホで私のナンバーを入力すると、住所などがすぐに出てきてビックリ。これなら作業が早いですよね。イタリアとドイツの警察には協定があり、警察官やその権限をおもちの方はすぐに調べることができて、捜査をする際には便利なんだそうです。

 私を担当してくれた恰幅のよい50代後半かと思われる警察官の部屋には、懐かしのラジカセが置いてあり、陽気なイタリアの歌謡曲? が流れていて、その歌声を聴きながらの調書や被害届の作成でした。残念ながら撮影は不可でしたが、警察官のそれぞれの私物がデコレーションされていて個性的でした。

 日本だったら絶対にありえないシチュエーションですので、楽しみながら被害届を出しました(笑)。

 ついでに警察官に、なぜイタリア人はイタリア国内では制限速度を大幅に上まわってぶっ飛ばすのに、ドイツのアウトバーンでは遅いのですか? とうかがってみました。速度制限が解除されている区間で好きなだけぶっ飛ばせばよいものの……。警察官いわく、「自分の知らないテリトリーだと気弱なんだよね、イタリア人は」と(笑)。

 当て逃げ犯には厳罰を下していただくようお願いして警察署を後にしました。

 私が事故に遭ったのは高速道路上で、被害届を出したのは宿泊先のあるイモラ市内の警察署ということですぐには事故の証明書をもらえず、後日に管轄のボローニャの高速道路警察へ連絡してください、と。イタリアのことですから、一体いつ書類をもらえるのやら……。ちなみにイタリアの警察からは、1年以上経ってから違反切符のお手紙が届く場合もあるんですよ。

 もうすっかりお昼前の時間になっていましたが、朝食を食べていなかったこともあり、警察署近くのパン屋で朝食をいただくことにしました。生クリーム入りのクロワッサンと大きなカプチーノで4.50ユーロでした。私の住むミュンヘンなら大きなカプチーノ1杯でその金額を上まわるので思わずレジでの表示を何度も見返してしまいました。ミラノやローマなども大都市ならもっと高額なのかも知れませんね。

 イモラ警察のご尽力とご親切に感謝し、イモラでの最後のお仕事(?)も終わったことですし、オーストリアへ向かうまでの数日を過ごす街へとクルマを走らせました。


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