「タクシーやるなら東京」は昔の話! いまは地方都市でも稼げる可能性が広がっていた (2/2ページ)

地方都市でも都内並みに稼げるケースが増えてきた

 業界事情通氏と北陸地方の某市に宿泊した(金沢市や富山市のような県庁所在地ほど大都市ではない)。郊外のホテルからタクシーで往復移動して、中心市街地へ食事に向かった。帰路の車中で事情通氏が唐突に初老の運転士に「稼ぎはどうですか? 」と聞くと、「そうですね、だいたい5〜6万円(1出番あたりの営業収入)ですかね? 」という返答を聞いてふたりで「へっ? 」と顔を見合わせた。ちなみに調べてみると、2026年4月の運賃改定後の特別区(東京23区)・武三地区の1出番あたりの平均営収は約6〜6.5万円となっているので、ほぼ東京並みに稼ぐことができているというのである。

 続けて運転士は「週末になると、市内の居酒屋などで飲んだあとの帰りの手段としての利用が目立って多くなるので、週末なら8万円ぐらいになりますよ」と話してくれた。ウイークデーでも6万円ぐらい稼げる理由を聞いてみると、鉄道駅から郊外にある企業の工場への送迎が多いことを理由に挙げてくれた。

 また、お年寄りが通院でタクシーを利用するというのは、全国的にあるあるなのだが、自宅と通院先までの距離が結構あるなか、そのままタクシーを待機させて帰りも同じタクシーで帰るという強者もいると説明してくれた。市街地から数分走れば田園風景が広がり、午後10時あたりになるとバイパスでもほとんど通るクルマがいない街であり、インバウンド(訪日外国人観光客)需要もほとんどない街の話であった。

 こうなると、「わざわざ上京して慣れない環境でタクシー運転士をやることもないのでは?」とも考えてしまう。地元近くで大手企業の工場が多く立地している場所ならば、最寄り鉄道駅だけではなく、最寄り新幹線駅や空港までという遠距離利用も出やすいだろう。

 筆者はかねがねタクシーについては「全国ひと括りで語ることはできない」としてきたが、それは地方と都市部だけではなく、地方部でも稼げないとボヤきも聞かれる地域もあれば、東京並みに稼げる地域が地方部でもあることを、今回実感することができた。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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