1980年代から電動化が進んだシートのハイテク装備
形状や構造など以外に、シートの進化にはもうひとつの流れがある。それが装備だ。たとえば2代目セリカXX(1981年)には、8ウェイ調整式スポーツシートが世界で初めて採用された。8パターンのなかには前後スライドなど当たり前の調整も含まれていて少々大げさな感じもするが、サイド部分の調整ができ、ホールド性を変えることができた。
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ただ調整方法は現在のような電動ではなく、なんと空気式。風船のようなポンプを手で握って空気を内部に送り込み、細かく調整することができた。ちなみにセリカではレバー調整式なので空気式は上級装備だった。
調整方式で、もうひとつ注目なのが電動リクライニング&スライドだ。現在もちょっとした高級装備だけに比較的最近のものと思いきや、1962年に登場した日産のセドリックが日本車初採用となるので60年以上も前のこと。その後しばらくは大きく広がることはなかったが、1980年代、バブルを迎えると高級車を中心に普及。1990年代になると電動調整にしか組み合わせることができないメモリー機能が追加された。
現在はさらに進化していて、たとえばアルファード&ヴェルファイアの2列目に世界初で採用されたパワーロングスライドは、最大で480mmもスライド。電動と手動を切り替えることができ、乗員の有無に合わせてスライド速度を制御できるという、おもてなし機能が満載だ。
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フレームには防振ゴムを設置することで振動を低減しており、至れり尽くせりである。ちなみに制振という点では大型トラックのシートはエアサスで車体からの振動を吸収するので、座り心地自体も最高だったりする。これは特定ジャンルでの進化の一例だ。
そしてパワーシート以上に最近増えているのがシートヒーターだ。1990年を過ぎたころに寒冷地仕様での普及が目立ったが、現在は軽自動車にも装着され、実用装備へと昇華。メーカーの担当者に聞くと「電気を使うので燃費に影響するとはいえ、女性向けの商品力は大きい」とのことで、確かに座面がホカホカするのは快適この上ない。
EVでも普及が進んでいて、航続距離に影響するのになぜ付けるのかと思うが、ヒーターよりシートヒーターで暖めるほうが消費電力が少ないのが装着理由となっている。
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一方、暖めるだけでなく夏の蒸れを解消するためのベンチレーション機能が2000年以降の高級車で採用されるようになった。内部にファン
を付けてシートと体の間を換気するというのはシートヒーター以上に画期的だった。
とは言え人間の欲求というのは飽くことを知らないとも言え、ゴージャスな装備として画期的なのがマッサージ機能だ。初代セルシオやセンチュリーで採用されたのが最初で、その後も高級車ならではの装備としていまに至る。