雪道で「4WDは無敵」の錯覚はなぜ起こる? 「走る」「曲がる」「止まる」のうち「走る」だけが突出していることを理解しないと大事故になる (2/2ページ)

安心して走れると錯覚してしまいがち

 4WDの走行性能を誤解することで陥る落とし穴は、こうした氷雪路に対する警戒心が薄らぐタイミングで現れる。極端にいえば、フルタイム方式のスポーツ4WDなら、氷雪路であってもドライ舗装路と同じ感覚での全力発進も可能だ。もちろん、低μ路であるため、タイム的にはドライ舗装路より遅くなるが、2WDには真似のできない全力加速が可能であり、この感覚がドライバーの低μ路走行を狂わせることになる。

 ステアリングを切ればドライ舗装路と同じように曲がれ、ブレーキを踏めばドライ舗装路と同じように止まれる、という錯覚だ。とくに怖いのが、コーナーアプローチ時の速度感の狂いだ。ブレーキングポイントが遅れ、ステアリングを切るとフロントタイヤのグリップが失われ、結果的に、ステアリングを切ったまま直進してコースアウトしてしまうケースだ。

 現代のクルマは、ABSや車両挙動安定装置が装備され、車両を安全に保つよう制御下に置かれているが、これらはすべてタイヤのグリップ力が基本となるセーフティデバイスだ。タイヤのグリップ限界を大きく超えてしまうと、即座に所期の効果が発揮されるわけではない。

 ウインターロードで走る上で忘れてはならないことは、どんなクルマもタイヤのグリップ限界を超えては走れない、ということだが、とくに「走る」に関して優れた能力を発揮する4WD車は、このことを肝に銘じて氷雪路に臨みたい。


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