想像するだけでも超高難易度! 巨大なバスを手足のように操るコツとは? (2/2ページ)

正確な車両コントロールがキモ

②左折は1発で曲がろうとしない

 もっとも技術を要するのは、左折時の内輪差対策。そのコツは「コンパクトに回りすぎない」ことと、「状況に応じてあえて1度膨らんでからアプローチする」ことだ。ただ、やみくもに頭を振ると右側の車線にはみ出し、隣のクルマと接触するリスクが生まれる。そのため、ミラーをmm単位で確認しつつ、後輪が道路の縁石から約50cmのラインをトレースするように、絶妙なタイミングでハンドルを切り進める。曲がりきるまで決してアクセルを強く踏まず、クリープ現象などで微速を維持するのが肝だ。

③Gを発生させないペダルワーク

 バスの運転士にとって、道路の安全と同じくらい重要なのが「乗客を転倒させない車内の安全」である。なぜなら、車内には立っている人や高齢者などがいるからだ。ここで必要なのが、「踏み始めは優しく、抜きはもっと優しく」というペダルワークである。ブレーキをかける際は、最初に軽く踏んでパッドをディスクに当て、そこからじわりと踏み増す。そしてバスが完全に停止する直前、踏み込んでいたブレーキペダルをフッと緩める。これにより、停止時の不快なGをなくすわけだ。

 大型二種免許という狭き門をくぐり抜けて日々の研鑽を重ねることで、彼らは大型車の運転技術を確実に習得している。しかし、どれだけ技術が高まろうとも、彼らがもっとも大切にしているのは「かもしれない運転」と、絶対に事故を起こさないという強い責任感だ。

 街でバスを見かけたら、その滑らかな発進や狭い交差点をいとも簡単に曲がっていく姿を観察してほしい。そこに、日本の公共交通を支えるプロフェッショナルたちの、たゆまぬ努力と見事な技の結晶を見ることができるだろう。


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