Gを操って最速タイムを記録せよ
プチ試乗会(!?)の次に待っていたのはG-ballジムカーナだ。「G-ballってなんやねん」といったところだが、これはスマートフォンやタブレットにインストールする買い切りタイプの、その名のとおりクルマにかかるG(重力加速度)を計測するアプリ「G-ball」を使って、「諸君らにはGをなるべくかけずに、我々が設定したコースでジムカーナをしてもらう」というもの。このアプリを使ってマツダのテストドライバーは本当に試験(訓練)をしているそうで、コースレイアウトも実際に訓練で使っているものとほぼ同じとのこと。
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「0.4G以下で速く走ってください」というものだったが、この0.4Gというのが絶妙な数値。日常生活においても、雑に交差点を曲がったり、車線変更をしたらわりとすぐに到達する数値だ。そのGをコントロールして走れとか、なかなか無茶な話。そもそも筆者はテストドライバーではないのだから。しかも頭がそれほどよくないので、ジムカーナのコースを覚えるのもひと苦労。どうなってしまうんだ!?
クルマはMTのロードスターを使用する。シートはフルバケットシートが一丁前についており、弄りまわしたクルマが好きな筆者的には妙に落ち着く点には救われた。ちなみに1回までは0.4Gを超えてもセーフとのこと。
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この「G-ball」というアプリは、Gが強くなるにつれて「ピーヒョロロロ……」といった具合に音が鳴る仕組み。オーバーすると「チン」と虚しく鳴る。なので、音が高くなりつつも、そこを維持することができれば、超えずに済む点はわかりやすいし、クルマのコントロールもしやすい。しかし、賞金やクルマがもらえるわけではないにしろ、タイム計測をしているだけに、レースなどを齧っている筆者的には、何がなんでも同世代が多いライバルたちには負けたくはない。ロードスターを使った耐久レース、メディア4耐でも表彰台に上がっているプライドにかけても、負けるわけにはいかないのだ(実際ただ走っただけで表彰台獲得に何も貢献はしていないのはここだけの話)。
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とはいえ、必死こいて急加速したり、雑なシフトチェンジをしても0.4Gはすぐに超えてしまう。もどかしいったらありゃしない。しかし、いざ走ってみるとこれが意外にもなんとかなるではないか! 5回ほど走ったうち、2回ほど0.4Gを超えるシーンがあったが、1回の走行で2回以上鳴ることはなく、回を重ねるごとにどんどんタイムが上がる。最初は1分24秒ほどだったタイムが、最終的には1分11秒前半にまで伸びたのだ。
常に横にはマツダのテストドライバーがついていたのだが、「超えそうで超えない絶妙な荷重移動でGをコントロールできているので、かなりいい線ですよ」と、お世辞でも嬉しい評価も頂いた。この時点で、「もしかして、マツダでもやっていけるのでは……?」と思ってしまった。
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同じプログラムに参加していた人たちは、「0.4Gを2回以上超えた」とか「0.4Gは超えないけどタイムが出ない」と嘆いていたので、正直この時点で内心「勝ったな」と思ったが、残念! 以前一緒にカートのレースに出たことがある別媒体の若手に負けてしまったではないか! 所詮筆者はにわかクルマ好き、実力なぞこの程度である。ただこの彼は普段の愛車もテスト車と同じNDロードスターだったので、マツダがロードスターを語る上で必ず述べる「人馬一体」という感覚を、より高い次元で持っていたに違いない。きっとそうだ。……と、苦し紛れのいい訳を残す。
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さて、夢の地であった、MINEサーキット改め「美祢自動車試験場」での試乗体験会であったが、マツダでは、「クルマとの対話」や「クルマを運転することによる幸福度の変化」というのを日々研究、開発し、市販車にそれを落とし込んでいるという。
エンジニアは、「マツダ車に乗って運転をすると幸福度が上がるというデータがあるんです。それは、マツダ車の作りがいいのはもちろんですが、そこに至る過程において、ドライビングポジションの最適化、エアコンを動かした際の空調のセッティング、車内環境の快適性向上、楽しく運転できるための内装の設計、マツダ車が欲しくなるようなデザインなどなど、さまざまな要素を研究した上で、クルマを作り上げています」と語る。
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「クルマはただ作ればいいというだけでなく、クルマが関連する生活動線はもちろん、人そのものもマツダでは研究しています。AIやビッグデータの活用は、新車開発には欠かせません。実際、『マツダ車に乗ると元気になるんですよ』というユーザーの声もいただいています」と続けた。
「運転すると幸福度が上がる」というのは、運転時に人が感じる「感性」、科学の分野では「感性工学」と呼ぶそうだが、それはマツダのお膝もとである広島に籍を置く、広島大学が考案した分野なのだという。もちろんここには、マツダの協力もある。人中心のクルマ作りが、マツダの根底にあると、今回のイベントを通じてかなり高い解像度で理解できた。
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最後に、マツダではかねてより、「正しいドライビングポジションを決めて運転してほしい」と我々にアナウンスしている。では、その正しいドライビングポジションはどう取るのか。イベントのお土産としてここにまとめたい。順序としては以下が基本の流れだ。
1:まずはシートをリクライニングさせ、腹部のキツさを感じるまで起こす。座面も一番下まで下げて、ステアリングも一番奥にして位置も一番下に下げる
2:腹部の圧迫感がなくなる自然な位置までシートを倒す
3:ブレーキペダルを踏み、足首がキツくなるまでシートを前にする
4:足首がキツくなくなる位置までシートを下げる
5:座面はボンネットの面と後部のフチが見えるくらいの高さへ
6:ステアリングは上部に手首が置ける位置に前後を調整する。高さはメーターフードと同じくらいに
※あくまでマツダ車の場合(一部車種には調整機能がない場合があります)
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マツダ尽くしの2日間だっただけに、これだけマツダのことを叩き込まれると、マツダ車が欲しくなってしまうのも当然ではないだろうか。次回があるのか、はたまた想像を絶するイベントにしてくれるのか。次回以降も機会があればぜひ参加してみたい、スペシャルな取材会であった。ここまでしてマツダを語られたら、次に購入するクルマはマツダ車で決まりか!?
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