社長や芸能人までもが愛用するクルマにまで昇格
以来、政治家から会社経営者、芸能人、映画スター、相撲力士まであらゆるVIPの送迎車として、セダンタイプに代わって選ばれてきたショーファーカーこそが、アルファードに代表される国産ハイエンドミニバンになったというわけだ。永田町周辺、重要な会議が行われる高級シティホテルに黒塗りのアルファードが溢れかえっているのが何よりの証拠である。
もちろん、トヨタにはさらなる高級ミニバン、1500~2000万円級のレクサスLMもあり、国産ミニバンの頂点に立つ。1990年代の空前の”ファミリー”ミニバンブームの際、30年後にミニバン=高級車という概念が成立し、1000~2000万円級の国産ミニバンが出現することを誰が想像しただろうか!
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ただし、ボディカラーによっては風格があり、スライドドアで後席に乗降しやすく、室内が広い……から、というだけではなかったかもしれない。2021年の兵庫県知事選では公用車のセンチュリーの年間300万円もの高額なリース代がかかっており、公用車見直しがひとつの争点となり、公用車がセンチュリー(当時の新車価格約2000万円)からアルファード(当時の新車価格約360~762万円)に切り替わったことも記憶に新しい。豊田章男氏に倣い、兵庫県知事もアルファードの車内の寛ぎ空間、広さやワークスタイルに合う実用性に大いに満足したに違いない。
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そんなアルファードは、心を豊かにする空間設計、可能な限りのホスピタリティの盛り込みという発想を、代を重ねるごとに昇華。「おもてなし」の心が詰まったハイエンドミニバン、VIPの移動車として確固たる地位を築いてきたことになる。ミニバンとしていち早いストロングハイブリッドの採用、PHEVの追加、2023年6月に発売され、当初、入手困難ともなったほどの人気を誇る現行4代目で極まった2列目キャプテンシートまわりの贅沢なしつらえは、まさに国産ミニバンの高級化の象徴でもあり、アルファードに乗るVIPの満足度はさらに高まったといえるだろう。
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乗降性、居住性、ワークスタイルへの対応を含め、ミニバンほどの後席のゆとり、全高、室内高をもたないセダンタイプの高級車はもはや出る幕がなくなってきているのである。つまり、ミニバンの高級化は豊田章男氏の先見の明もあり(!?)必然だったことになる。
そうした国産ミニバンの高級化、高級化願望は、価格やサイズ的にアルファードやヴェルファイアまでは必要ない一般的なファミリーミニバンユーザーにも飛び火。高い着座位置による爽快なドライブが楽しめる、適度なサイズのミドルクラスミニバンにも広さや便利さ、車中泊対応+高級化が望まれ、トヨタでいえば、かつては5ナンバーサイズのボックス型ミニバンだったヴォクシーの高級化路線も、ファミリーユーザーのミニバンへのさらなる期待に応えたものといえるだろう。
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たしかに今はSUVブームだが、移動の快適性、多用途性ではミニバンが圧倒。SUV&高級ミニバンの需要が最高潮に高まり、多くのセダンタイプの車種が苦戦、または終売されるのも無理もない時代なのである。余談ではあるが、ミニバンの高級化とは直接関係ないものの、災害時に車内避難しやすいのもミニバンだ。