クロカン四駆といえど過信は禁物
ではどのくらいの水深までいけるのか。ズバリ、たった30cm程度である! これは筆者の経験や勘ではなく、取扱説明書にもしっかり明記されている数値だ。こう考えると、全然大した数値ではないのだ。なお、ジムニーと同じく日本を代表するクロカン四駆であるランドクルーザーはというと、こちらは70cm程度まで許容されている。ランドローバーのディフェンダーであれば90cm程度までいける。30cmがいかに大したことないか、よくわかるだろう。
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30cmという数値は、純正車高に純正サイズのタイヤ(175/80R16)を装着したジムニーで表すと、タイヤの中心あたりまでが目安。人間で例えるなら膝下、脛の中心あたりまでだろうか。川遊びで水に浸かるときがこれくらいだと思う。とはいえ、そうそうこのレベルの冠水は起こらないが……。なお、ジムニーシリーズはノーマルだと構造上、どのモデルでも30cm程度が限界ライン。
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ではなぜダメなのか。ジムニーの場合、前後のデフケース(丸い部分)に、走行中に発生した熱による圧力などを逃すブリーザーバルブというのが備わっている。ここから圧力が抜けるようになっているのだが、ここは要するに穴なので、水に浸かるとデフケース内に水が入り込んでしまう。そうするとオイルと水が混ざってしまい、悲惨なことに。このブリーザーバルブがあるからこそ、それが浸からない30cmというのが、メーカーが注意喚起する根拠となっている。
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ちなみに、クロカン遊びをするガチ勢の人たちは、ここにホースを挿して出口を延長、エンジンルームなどに逃すカスタムなどを施し、渡河性能を引き上げているという。簡単なカスタムだが、かなりニッチな領域だ。なお、先のディフェンダーなどは、バルブの出口が最初から上の方になっているとのこと。
ただ、今回のような災害は予想できないし、「30cm以上はダメなんだ」って思って水に浸かったままクルマを放置するのもかえって危険だ。とはいえ、メーカーの推奨が30cmまでなので、明らかにそれ以上浸かってしまったら、とりあえず帰るだけ帰って、すぐにデフオイルの交換や各所の点検は行いたい。でないと、廃車にならずとも、駆動系ゆえにかなりの修理代が襲いかかってくるはずだ。
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また、冠水路を走る際は徐行するのはもちろん、勢いよく水溜りに突っ込むと普通なら吸わないはずの水を吸ってエンジンがブローしたり、外装が壊れたりするので、「俺のはクロカン四駆だぜ〜」といって、派手なアクションで突入するのも禁物。デフに水が入っても走れるが、エンジンに水が入ると即終了なので、こちらのほうを気をつけたい。また、あまり深いところに行くと今度はジムニーだと軽量で浮いてしまうので、かなり危険だ。最善策は冠水路を迂回することだろう。
なお、ファッション性重視のアーバンSUVはもちろん渡河水深30cm以下。乗用車+α程度、もしくは同等と考えておいたほうが安心。下まわりに電装系部品をもつクルマも最近は多いので、深い場所に行くのは危険だ。タイヤの厚み(扁平)程度の深さ、人間でいえば足首くらいまでが安心できるラインだろう。
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最後に、ジムニーはカスタムが定番の車種なので、「俺のクルマはリフトアップしてあるから平気」と考える人もいるかもしれないが、リフトアップをしたところで、ボディとタイヤのクリアランスが広がるだけで、じつはデフの位置はほとんど変わらない。デフの位置を上げたいなら、タイヤサイズを大きく変えて、デフの位置を物理的に上げたり加工するなど、より大掛かりな作業が必要なので、カスタムしたといって、過信しないようご注意を。
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