軽量化まで施したが300km/hには届かず
加えて、ベッテルのリクエストに応えようと、欧州の紳士協定として知られる最高速250km/hの制限を潔く解除。繰り返しますが、これがメーカーのチューニングとはにわかには信じがたい内容でしょう。
無論、大きく重たい(ノーマルは2095kg)FX50を高速で走らせるために足まわりはガチガチに強化。専用の強固なサスペンションとダンパーを装備して、車高は20mmダウン。さらに、バネ下重量を削るために専用のBBS製21インチ鍛造ホイールをチョイス。
インフィニティFX50 ベッテルエディション画像はこちら
このほか、カーボンパーツの多用や、インテリアの木目パネルを省くといった細かな対策で46kgの軽量化を果たしています。その結果、パワーウエイトレシオは4.89kg/馬力と、SUVとしては優秀な数値を手に入れたのでした。
こうしたチューンアップの数々を見ていくと、「たしかに300km/h出そうだわ」と思わずにはいられません。が、イギリスのメディアが市販版ベッテルエディションをテストした際は約275km/hで限界に達したとか。やはり、SUVゆえの前面投影面積の大きさに対し、420馬力はちと足りなかったのかと。もっとも、実測値がそれに届かなかったからといって、このクルマの価値が下がるわけでもないでしょう。
インフィニティFX50 ベッテルエディション画像はこちら
インフィニティFX50 ベッテルエディションは、職人の手によって世界限定150台のみが文字どおりハンドメイドされ、当時の価格で12万ユーロ、日本円にして約1250万円という超高額車。ちなみに、並行輸入でわずかに国内上陸した個体が存在するとのこと。
もし、街なかでこの特異なオーラを放つインフィニティと遭遇することがあれば、それは「F1王者の執念」と「日産の技術力」が火花を散らして生まれた、歴史的なモデルの目撃者になったといっても過言ではないのです。