スーパーGTはやり甲斐がある ちなみにスーパーGTの場合、トラックエンジニア、パフォーマンスエンジニア、データエンジニアのほかにも、いろんなエンジニアがチームをサポートしているようで、近藤氏によれば「GT300の場合、データエンジニアとパフォーマンスエンジニアを兼務している場合もありますが、そのほかにもタイヤやブレーキなど各パーツのスペシャリストもいますし、aprさんなんかは、ハイブリッド車両でレースをやっているので、ハイブリッド専門のエンジニアがデータを分析していると思います」と語る。
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「スーパーGTの場合、予選の前に公式練習がありますが、1時間あとにはFCY訓練が始まりますよね。そのあと、10分間のクラス占有走行がありますが、その短い時間で予選と決勝に対してのセッティング、もち込みのセッティングに対して、どのくらいアジャストしていくのかを決めないといけない。トラックエンジニアは何を優先するのかを考慮してランプランを作らないといけないので、タイムキーパー的な役割も担っていると思います」と近藤氏。
さらに「どうしても卓上の計算と実際の走行ではズレが出てくるので、ストレートエンドの車高を見て、車高で補正するのか、ウィングで調整するのか。そのほか、空力以外にも荷重やサスペンションの動き、ロール量、前後のバランスなどをパフォーマンスエンジニアは見ています。たとえば、ドライバーがアンダーステアとコメントしたら、データで見つけられるところがあれば、それに対して“フロントのロール剛性をさげてみては? ”とか、“フロントよりリヤをこうしたほうがいいのでは? ”といったような提案をしますし、新しい空力アイテムを試した場合は、“ダウンフォースが増えている”とか“ダウンフォースをつけたぶん、リヤが沈みすぎているな”とかも確認しますが、データ上ではバランスがおかしくても、ドライバーのコメント的にはフィーリングがよくて、実際にタイムがいいこともありますからね。その逆もありますが……。そういった難しい部分を含めて最終的にトラックエンジニアがどうしていくのかを判断しています」と近藤氏はエンジニアの仕事を解説する。
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ちなみに、レーシングカーで収集されているデータは一般的に車体であれば「車高」「サスペンションストローク」「タイヤ荷重」「ステアリングの舵角」、「ブレーキやコーナリングのときのG」「タイヤの空気圧と温度」、「車輪速」などで、エンジンに関しては「水温」「油温」「吸気温度」「外気温度」「過給圧」「点火タイミング」など多岐にわたる。
まさにレースエンジニアは大変な仕事ゆえに、役割分担を行っているのだが、埼玉Green Braveのエンジニアは近藤氏のみで、「お恥ずかしい話ですが、エンジニアは私1人です。トラックエンジニア兼パフォーマンスエンジニア兼データエンジニアを担当しています」と語る。
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さらに同チームはスーパーGTのほか、FIA-GT4モデルの52号車「埼玉GB GR Supra GT4 EVO2」でスーパー耐久のST-Zクラスにも参戦しており、そこでも近藤氏はレースエンジニアを担当しているが、スーパーGTとスーパー耐久では違いがあるようで、「GT300車両は手を加えられるところが多いので、クルマを速く走らせるための計算が圧倒的に多いですね。エアロバランスにジオメトリーなど細かく調整できるし、部品を作ることもできますから、見なきゃいけないところが多い。それに対してスーパー耐久で使用しているGT4のGRスープラはトヨタが開発したほぼ完成されているレーシングカーですからね。ストロークセンサーやタイヤプレッシャーセンサーもつけていませんが、しっかり管理すれば戦えるし、実際にフィーリングはいいので問題はないと思います」と解説する。
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スーパーGTでは同じサーキットでも路面コンディションでクルマのスタビリティが変化するほか、性能調整やサクセスウエイトにより車両重量が変わることから、シビアなセッティングが求められるのだが、レースエンジニアは限られた時間のなかで対応している。それゆえに近藤氏は「スーパーGTはやりがいがある」と語っているが、そんなレースエンジニアの近藤氏がおすすめする簡単セットアップがタイヤ選択で、「レースもそうですが、スポーツ走行でもタイヤは大切なので、タイムを出すためにはグリップするタイヤを選びたいですね」と語る。
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さらに「バネレートや減衰力をいじってみるのもクルマの動き方の違いを体感できると思うので面白いと思います。それぞれに推奨値があるので、それを試してみるのはいいと思います」と近藤氏は付け加えているだけに、愛車のセッティング変更を行ってみたい読者は、チャレンジしてみてはいかがだろうか?