この記事をまとめると
■中国ファリゾンのBEVバスがインドネシアで営業運行を開始
■商用バンやバスの電動化で中国勢の存在感が拡大
■日本車が強い市場でBEVを武器にシェア拡大を狙う
進む中国製BEV商用車へのシフト
インドネシアの主要都市間をはじめとした都市間シャトルサービスを展開するのがDAY TRANSだ。GIIAS(ガイキンドインドネシア国際オートショー)会場でもコンコース脇にいつもブースを構えており、2026年度は特設テント展示棟にブースを構えていた。いつもは真っ赤なボディカラーのトヨタ・ハイエースのみが展示されていたのだが、今回そのハイエースの隣に、中国・吉利汽車の商用BEVブランド“FARIZON(ファリゾン)”のコミューターバスが置いてあった。
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調べてみると、DAY TRANSの一部営業路線にて、FARIZON車両が“Super Van”と命名され、8台が2026年8月10日より営業運行を開始したとのことであった。さらに今後DAY TRANSではBEVへの車両変更を進めていくとも地元メディアが報じていた。
FARIZONについて、筆者はタイの自動車ショーでもブースを構えていたことを記憶している。タイでのキャブオーバーバンといえば日本での現行型200系ハイエースが主流であったが、タイでの現行型となる300系がボンネットをもちサイズアップし、さらに車両電動化がトレンドになると、取ってかわるように中国BYDなど中華系のBEV商用バンを街なかで見かけるようになった。
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インドネシアでの商用バンは、日本ではトヨタ・タウンエースとしても販売されている、ダイハツ・グランマックスが圧倒的なシェアを誇ってきた。そのインドネシアでもウーリン(上海通用五菱)やDFSK(東風小康汽車)などがグランマックスに近いサイズのBEV商用バンをラインアップし、ポストグランマックスを狙っている。王者グランマックスは2027年にフルモデルチェンジを予定しているとの情報も入っており、次期型でどのような動きを見せるかにも注目が集まっている。
FARIZONはグランマックスよりはるかにボディサイズは大きい。パネルバンやトラックもGIIAS2026会場では展示されていたが、会場展示車を見ている限りはシャトルバスサービスのほか、ツアーバスなど旅客輸送車両ニーズに的を絞り込んできているように見える。
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すでにジャカルタ市内では市内を走る路線バスにてBEV車両の導入が積極的に行われている。FARIZONの今回の動きは、バスとしての需要拡大を狙うだけではなく、「都市間移動バスでも難なく使えるのなら……」と、商用バンやトラックの需要拡大にもつながるのではないかとも考えているようだ。
BEVの普及は、中国でさえようやく50%に届いたといった状態。世界的にはバスやタクシー、商用バン&トラックなど「BEVは働くクルマから」というのがトレンドともいっていい状況だ。インドネシアでも中国系BEVがジワジワと存在感が増してきていることは否定できない。ただし、インドネシアでも主要日系ブランドのような緻密な販売&サービスネットワークはまだ構築できていない。そのなかタイほどではないものの、中華系ブランドの低価格戦略も含めた乱売傾向が目立ってきている。そのような状況下で日本車ほどの信頼を勝ち取ることができるのかという疑問の声も聞こえている。
いまでも80%台の販売シェアを誇る日本車に迫るのにBEV一辺倒では厳しいといえるインドネシア市場だが、「それでもBEV」という動きも見え隠れする中国車の動きはじつに興味深いものとなっている。