クルマの開発期間を半減し「ちょうどいいクルマ」を取り戻す! スズキが描く10年先を見据えた技術戦略の中身 (2/2ページ)

開発・生産の両輪を変革し「丁度いい」を届け続ける

 続いて登壇した取締役副社長・技術統括の加藤勝弘氏は、より具体的な技術内容に踏み込んだ。

 電池は熱マネジメントや充放電制御などのシステムを自社開発・共通化しつつ、地域ごとに最適な電池を選択できる柔軟性を確保する方針だ。

 次期e Axleは軽自動車からDセグメントまでを大小2仕様でカバーし、重希土類フリー化にも取り組む。エンジンでは最新のZ12Eをベースに熱効率50%への挑戦を進め、車体では「衝突エネルギーのコントロール」という発想で安全性を確保しながら、2030年に向け100kgの軽量化を目指すという。

 ADAS(先進運転支援システム)については、交通事故死者数が世界最多とされるインド市場を念頭に、衝突被害軽減ブレーキなどの安全機能を普及価格帯を含む全車に標準装備する方針を示した。カメラとAIチップの統合、コントローラ統合による「CZU」でコストを約30%、重量を約15%削減するとしている。

 また、材料面ではフロアマットのモノマテリアル化でCO2排出量を約70%削減する技術や、軽トラック「スーパーキャリイ」をベースにした移動式CO2回収システム「CARBON CAPTURE CARRY」など、カーボンネガティブに向けた実践的な技術開発も紹介された。

「小・少・軽・短・美」というものづくりの原点を磨き上げ、世界中のカスタマーに「丁度いい」価値を届け続ける。これがスズキの掲げる技術戦略2026の本質だ。エネルギー極少化と本質価値極大化という、一見相反するこのふたつの目標を、スズキは「チームスズキ」の力と独自の技術戦略で両立させようとしている。

 今後に登場するスズキのニューモデルに大いに期待したい。


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