EVの登場がクルマだけでなく用語も変えた
OTA(オー・ティー・エー)
海外でも通じる日本語といえば、かつては「SUMO(相撲)」に「SUSHI(寿司)」、そして「Hentai(変態)」あたりが定番だった。最近では「Kawaii(カワイイ)」や、ライトノベルのジャンルである転生ファンタジーなどでおなじみの「Isekai(異世界)」も通じるという。
では、クルマの用語で「OTA」といえば? そう、オタクを意味する「オタ」である……わけがない。
OTAは「オー・ティー・エー」と読み、「Over-The-Air」の略。簡単にいえば、Wi-Fiやモバイル通信などを利用し、クルマのソフトウェアやデータを無線で更新する仕組みのことだ。
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このOTAを使ってナビの地図データを更新するだけでなく、車両を制御するソフトウェアそのものをアップデートできるクルマも増えている。最新のクルマは数多くのソフトウェアによって制御されているだけに、OTAによって購入後も機能の追加や改善が可能になっているというわけだ。
eAxle(イーアクスル)
eAxleとは、EVなどで使われる駆動ユニットのこと。一般的には「モーター」「インバーター」「トランスアクスル」の3つをひとつにまとめた構造をしている。
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例えるなら。巨大なデスクトップ・パソコンで、電源・CPU・グラフィックボードなどを別々の筐体に収めていたものを、ひとつの小さな筐体にコンパクトに集約したようなものだ。これにより、フロア下や車軸付近の限られた空間に駆動系を収めることができ、車両全体の小型化・軽量化・車内空間の確保につながる。部品点数の削減は組立工程の簡素化やコスト低減にも直結する。
さらに、前後輪にそれぞれ1基ずつ搭載すれば、ふたつのモーターで四輪を独立制御する電動4WDを構成することもできるのだ。
LiDAR(ライダー)
Light Detection and Ranging(ライト・ディテクション・アンド・レンジング)の略で、レーザー光を使って周囲の物体までの距離や形を測るセンサーだ。
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仕組みは意外とシンプルで、LiDARからレーザー光を発射し、その光がクルマや人、建物などに当たって戻ってくるまでの時間を測る。光の往復時間がわかれば、「どこに、どれくらい離れて物体があるのか」を計算できる。
つまり目の前にレーザーの物差しを大量に飛ばし、周囲を立体的に測っているようなイメージだ。これを高速で繰り返すことで、周囲のクルマや歩行者、道路などを立体的な「3Dの地図」のように捉えることができる。
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カメラは信号の色や標識などを見分けるのが得意だが、LiDARは物体までの距離や立体的な形を正確に測ることが得意。そのため自動運転や高度なADASでは、カメラやミリ波レーダーと組み合わせ、それぞれの弱点を補いながら周囲を認識する。つまりLiDARは、クルマが周囲を立体的に把握するための「レーザーの目」と考えるとわかりやすいだろう。
V2H(ブイツーエイチ)
ガソリン車にしか乗っていないと、次々に登場するEV用語に「何それ?」となってしまう昨今。本誌のEV記事を読んでいて、聞き慣れない言葉に面食らった人もいるのでは? そんなEV関連でよく登場する用語のひとつが「V2H」だ。
V2Hは「Vehicle to Home(ビークル・トゥ・ホーム)」の略で、EVやPHEVに蓄えた電気を家庭で使えるようにする仕組み。つまりクルマを”大きな蓄電池”として活用できるというわけだ。
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とくに威力を発揮するのが災害時。台風や地震などで停電しても、EVのバッテリーに電気が残っていれば、V2H機器を介して自宅へ電力を供給できる。いざというときの非常用電源になるのが、大きなメリットだ。
もちろん使い道は非常時だけではない。電気料金が安い時間帯にEVへ充電し、料金が高い時間帯にはクルマから家庭へ給電する、といった使い方も可能。太陽光発電と組み合わせれば、昼間に発電した電気をEVに蓄え、夜間に家庭で使うこともできる。
EVは単なる「電気で走るクルマ」ではなく、「走る電源」としても活用できるのだ。
ハンズオフ/アイズオフ
自動運転はレベル2とレベル3に大きく分かれ、それぞれ「ハンズオフ」「アイズオフ」と呼ばれている。
レベル2のハンズオフは高速道路などでクルマが車線の中央を保ち、前の車との距離を保ったまま走行する。走行中はハンドルから手を離してOKで、何か別のことをしていても問題はない。
ハンズオフにより高速道路の走行画像はこちら
ただし目は常に前方の道路を見ておく必要があり、何かあったらすぐに自分で運転に戻る必要がある。なおハンズオフの状態で事故が起きた時の責任は、すべてドライバー側にある。
レベル3のアイズオフは目も道路から離してOKで、読書や動画を見ることもできる。ただし渋滞中の高速道路など、限られた場面だけで認められる。
渋滞が解消されるなどして条件が外れそうになるとアラートなどで知らせ、ドライバーはすぐに応じなければいけない。応じない場合はクルマが自動で路肩に寄って停車する。なお作動中の事故は基本的にメーカーの責任となる。
HDライティング
HD(ハイディフィニション)ライティングとは、多数のLEDを細かく制御し、必要な場所だけを照らす高機能なヘッドライトだ。一般的なヘッドライトが広い範囲をまとめて照らすのに対し、デジタルマトリクスLEDは光を細かな区画に分け、それぞれの明るさや照射範囲を個別に調整できる。
HDライティングを装備したアウディSUV画像はこちら
たとえばハイビーム走行中に対向車を検知すると、そのクルマに当たる部分だけ光を弱め、それ以外の道路は明るいまま照らすことができる。これにより、相手をまぶしくさせにくくしながら、ドライバーの視界を広く確保できる。
さらに高度なシステムでは、車線や進行方向を示す光のパターンを路面に投影する機能を持つものもある。
※本記事は雑誌「CARトップ2026年10月号」の記事を再構成して掲載しています