70代が20代と競い合えるのがモータースポーツ。全日本ダートラ70代ドライバーたちの本音 (2/2ページ)

走りに関しては問題なし! ただし……

 そのほか、三菱ランサーを武器にNクラスに参戦している宮地雅弘選手も72歳のシニアドライバーで、「ダートトライアルを始めたのは1986年、32歳のときだったから、キャリアとしては40年ぐらい。クルマを操るのが楽しいし、滑りやすい路面でコントロールするのが面白いから、ずっとダートラを続けることができた」と語る。

 宮地選手も老いを感じるようで「慣熟歩行はきつくなりました。第1ヒート前に1周歩くだけで疲れるし、第2ヒート前は歩かないときもあります」とのこと。

 その一方で「ダートコースまで競技車両で自走しているんですけど、ドライブ感覚で楽しんでいますし、タイヤ交換も問題ないです。それに、若いときよりもドライビングのことがわかってきたので、無理をしなくなったし、きちんと抑えて走ることができるようになりました。そのおかげでクラッシュ率も減ってきました」と宮地選手。事実、宮地選手は“日本一速いおじいちゃんドライバー”と呼ばれており、第5戦のエビス大会で自身初優勝を獲得したほか、最終戦となった今大会でも6位に入賞した。

「たまたま勝てたけれど、今はリザルトを気にせずに走りを楽しんでいます」と語っているだけに、宮地選手は今後もダートコースでアタックを続けるに違いない。

 これに加えて、GRヤリスDATでNクラスに参戦する江崎和則選手も70歳のシニアドライバーで「18歳でダートラを始めたんだけど、途中で20年間ぐらい活動を休止していました。5年前に復帰したからキャリアとしては30年ぐらいかな。ダートラはラリーと違ってひとりで参戦できるので、気楽に楽しめるところがいいですね」とのこと。

「慣熟歩行は問題ないし、タイヤ交換もできるんですけど、暑さに対して弱くなりました」と語る江崎選手だが、その一方で「遠征の移動は苦にならないし、競技で走行している時間も短いので、体力的にはまったく問題ないです。モータースポーツはクルマを使った競技なので、陸上競技みたいに体力が落ちたから戦えない……というわけではないですからね。暑いときは慣熟歩行の回数を減らすなど工夫をすれば、まだまだ続けられると思います」と語っているだけに、江崎選手はまだまだダートラを続けていくことだろう。

 このように全日本ダートトライアル選手権では、全日本ジムカーナ選手権以上にシニアドライバーが活躍。体力的には厳しい面もあるようだが、キャリアを重ねることで完走率が向上しており、若手ドライバーと同じ土俵で競い合うことができるようになっているのである。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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