もしかしたら”月面”だって走れるかもしれない! 新型「パジェロ」が鳥取砂丘の月面実証フィールド「ルナテラス」で悪路走破性能をテスト

この記事をまとめると

■三菱は鳥取砂丘月面実証フィールド「ルナテラス」で新型パジェロの走行試験を実施した

■スタックの危険がある砂地での走行試験は四輪制御技術の性能を検証するのに適している

■国内での砂地走行試験が可能になったことで開発期間の短縮やコスト削減にも期待が持てる

砂地も駆け抜ける新型パジェロ

 2026年9月2日に世界初公開された三菱の新型クロスカントリーSUV、パジェロ。2019年に先代モデルの販売が終了してから約7年ぶりの復活、そして4代目のデビューから約20年ぶりのフルモデルチェンジということもあり、国内外から注目を集めていることは御存知の通り。

 そんな新型パジェロが、鳥取県鳥取市にある鳥取砂丘月面実証フィールド「ルナテラス」で走行試験を実施した。月面環境を模した砂地で、市販車の開発を目的とする走行試験が行われるのは、自動車メーカーとして初めてのことだ。

 なぜ、新型パジェロの開発に月面実証フィールドが選ばれたのか。その理由は、砂地という特殊な環境が、クロスカントリーSUVに求められる悪路走破性を磨き上げるうえで、格好のテストフィールドとなるから。

 砂地は路面が柔らかいためにタイヤが空転しやすく、車体が砂に沈み込んで身動きが取れなくなることもある。さらに、まっすぐ走るだけでなく、曲がる、止まるといった基本動作にも高度な車両制御が求められるのだ。

 こうした環境で安定した走りを実現するには、パワートレインが生み出す駆動力を路面状況に応じて適切に伝えるとともに、旋回時などに車両の動きを的確にコントロールしなければならない。高い悪路走破は、単純に4輪へ駆動力を伝えられれば実現するものではないのだ。

 今回の走行試験では、発進や加速、旋回、登坂・降坂など、さまざまな走行シーンが確認された。そして、三菱自動車独自の四輪制御技術について、駆動力配分や車両運動制御が狙いどおりに機能するかを検証し、最適化を進めたという。

 新型パジェロは、さまざまな天候や路面状況において、誰もが安心・安全かつ快適に運転を楽しめるクロスカントリーSUVを目指して開発されている。今回の試験も、その目標を実現するための重要なプロセスのひとつとなっている。

 これまで三菱自動車は、砂地での走行試験や車両評価を中東やオーストラリアなどの砂漠地帯で実施してきたという。今回、新たに鳥取県のルナテラスを活用することで、国内でも砂地における評価を行えるようになった。

 ルナテラスは、鳥取砂丘の砂質や地形環境を生かして整備された、月面環境を模擬する実証フィールドであり、月面探査をはじめ、宇宙関連の研究開発や技術検証に利用されている施設だ。三菱自動車は、これまで砂漠での試験を通じて培ってきたノウハウを国内のフィールドでも活用し、開発を進めていく。

 さらに、国内で試験を行えるようになることで、試験車両の輸送にかかる期間や費用を削減できるほか、開発と評価を繰り返すサイクルの短縮も期待できる。これは新型パジェロだけでなく、今後のオフロード車の開発にとってもメリットとなるはずだ。

 見た目の力強さだけでなく、厳しい路面でもドライバーの意図に応える走りをどこまで実現しているのか。新型パジェロの実力を試せる日が待ち遠しい。


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