※本記事は雑誌「CARトップ2024年2月号」の記事を再構成して掲載しています
バランスの良さが生み出す小気味よいパフォーマンス
今回はいつもの峠道から、試乗ステージを袖ヶ浦フォレストレースウェイと言うサーキットに移してのテストドライブだ。というのも試乗車がGR86とGRヤリスをベースにしたトムス・コンプリートカーシリーズの2台で、そのパフォーマンスを十分に引き出すため。
知ってのとおりトムスは、レースだけではなく市販トヨタ車のチューニングを長年手がけているメーカー。以前試乗したスープラでは、ちょっと違和感を覚えた部分もあったが、今回の2台はどんな仕上がりになっているのか、車両を目の当たりにして俺の気分も高まってきた。スーパーGTのライバルチームでもあるし、気になるところだ。
最初はGR86RZ(6速MT)をベースに作り上げた「GR86TS」。アームやブッシュ類の最適化をはじめ、ダンパーやスプリングなど足まわり中心のカスタマイズが施されている。トムスの開発者によれば、このGR86TSは次のステージに進むためのベーシックなモデルをコンセプトにしているとのこと。ユーザーがカスタマイズを楽しむ余地を残したトヨタ86本来のコンセプトがそのまま受け継がれていると言っていい。
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スタイリングパーツもボディ同色になっていて、さり気なくスタイリッシュ。スムースな吹け上がりを感じさせたマフラーもリヤビューのアクセントになっている。全体的にこれ見よがしな感じがなく、オレ好みのエクステリアだ。
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今回のテストは一般のスポーツ走行との混走で行ったため、ラップタイムにバラツキは出たが、オレのマネージャーの手持ち計測では1分16秒台後半といったところだった。
試乗した印象としては、これこそストリートからサーキットまでオールマイティに熟す仕上がりと思った。タイヤはリヤをベースの215/40R18から225/40R18へと1cm太くしているが、車重、トレッド、ホイールベースに対してストロークが適切にとられ、そのストロークスピードも自然で扱いやすく、非常にバランスの取れたセッティングだった。
トムスGR86TSと土屋圭市さん画像はこちら
専用セッティングのLSDによる効果と思うが、唐突に滑り出すことがなく、4つのタイヤからしっかりとインフォメーションが伝わってくるのでコーナリング中も安心。怖い思いをまったくすることなく走行できた。
さまざまな媒体でチューニングカーのテストをしているとときおり出くわすけど、ただ固くすればいいと勘違いしているショップ仕様とは、やはりひと味もふた味も違うなぁ。
TOM’S GR86 TS 装備表
●エンジン:エキゾーストシステム「トムス・バレル」 ●エクステリア:スタイリングパーツセット(フロントディフューザー、サイドデフューザー、リヤバンパーサイドフィン、トランクリッドスポイラー) ●メカニカルLSD ●サスペンション:Adovox Sports ●車両本体価格:600万円~(税込/当時)