FFの牙城にFRで殴り込み! 前年王者が全日本ラリーにNDロードスターを投入の衝撃

この記事をまとめると

■全日本ラリー選手権・第8戦「M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ」が開催

■JN-5クラスにマツダ・ロードスターが参戦し話題となった

■ポテンシャルは高いもののまだまだ煮詰める余地があるとドライバーは語る

オープンカーでラリーに参戦!

 全日本ラリー選手権・第8戦「M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ」が10月16〜18日、岐阜県高山市を舞台に開催された。今年で53回目を数えるこの伝統の1戦で、素晴らしい走りを披露したのが、トヨタGRヤリスRally2を駆る新井大輝選手で、シーズン5勝目を獲得し、JN-1クラスのチャンピオンに輝いた。

 その背後でも各クラスで激しいタイム争いが展開されていたのだが、そのなかで注目を集めた1台が、JN-5クラスに登場したマツダ・ロードスターだといえるだろう。

 マツダ・デミオを武器に2025年の全日本ラリー選手権・JN-5クラスでチャンピオンに輝いていた河本拓哉選手が、現行ND型ロードスターをベースに開発した56号車「DL WM OTS TWR ロードスター」を投入。現在、JN-5クラスではトヨタ・ヤリスやニッサン・マーチ、ホンダ・フィット、マツダ・デミオなどFFのコンパクトハッチが主力モデルとなるなか、昨年の王者がFRスポーツで殴り込みをかけたのである。

 マシンを開発・製作したのは、九州の名門チーム「TOKUO WORKS Racing」で、主な改造ポイントとしてはダンパー&スプリング、タイヤ&ホイールに加えて、ブレーキキャリパー&パッド、LSD、マフラーおよびシートを変更。そのほか、RJ規定に合わせてロールケージがインストールされるほか、フル補強が行われていることも同モデルのポイントといえる。

 2026年はドライバーとしての活動を休止していたが、同マシンが完成したラリーハイランドマスターズで、河本選手は活動を再開。同マシンは完成したばかりで、ぶっつけ本番の状態だったが、「ボディが硬くてしっかりしていることから、足まわりのセッティングを少し変えても雰囲気がガラリと変わりますね。今年のラリーハイランドマスターズは路面が綺麗なので、このクルマのよさを活かせるんじゃないかと思います」と好感触。

 さらに「デミオと比べてもキビキビ走る印象ですが、ギャップに関しては繊細なイメージですね。優勝できるポテンシャルはあると思いますが、まだ煮詰まっていないので、今回はしっかりと完走したい。上位で完走してロードスターの良さをアピールしたいですね」と河本選手は語る。

 こうして注目を集めた河本選手×ロードスターだったが、レグ1でシフトが入りづらくなるトラブルが発生。その状態は最後まで続いたことから苦戦を強いられたが、それでも河本選手はSS4で2番手タイム、SS11およびSS12で3番手タイムをマークするなど、デビュー戦ながら好タイムを記録し、クラス5位で完走を果たした。

「トラブルもありましたが、ぶっつけ本番の状態でまずまずのタイムが出たので、手応えはありました。優勝した松倉(拓朗)選手のヤリスに追いつくためには、かなりがんばらないといけませんが、それでも、FFモデルを相手に勝てるだけのポテンシャルはあると思います。最終戦のモントレーにも参戦するので、今回のデータをもとにそれまでにいろいろと改善していきたいと思います」と語っているだけに、今後も河本選手×ロードスターの挑戦に注目したい。

 なお、JN-3クラスではトヨタGRヤリスの山田啓介選手がシーズン5勝目をマークし、同クラスでチャンピオンに輝いたほか、JN-4クラスではトヨタGR86の山口清司選手がシーズン初優勝を獲得。前述のとおり、JN-5クラスではトヨタ・ヤリスの松倉拓朗選手がシーズン6勝目を獲得したほか、JN-XクラスではトヨタRAV4 GRスポーツの天野智之選手がシーズン7勝目を獲得している。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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