「えっ、古いクラウンが中東に!?」円安で加速する日本の中古車“海外流出”のリアル

この記事をまとめると

■海外では日本の中古車が大人気だ

■中国では新車ディーラーが海外輸出を視野に入れた販売を進めている

■輸出を嘆く一方で海外のほうが日本よりもクルマの使用・保管環境がいい場合もある

海外では日本の中古車が大人気

 中古車に限っていえば、まさに宝の山となっているのが日本。過去には特定のクルマに海外からの人気が集中していたようにも見える。しかも、それは自分たちの国での生活移動手段として使う目的がほとんどのように見えていた。

 いまでこそ気候変動で日本でも酷暑やゲリラ豪雨、ゲリラ豪雪などの異常気象が目立っているものの、酷暑といっても摂氏60度近くまで気温の上がるインドなど、海外では日本を超えるレベルで過酷な地域や、そもそも日本より厳しい気候や道路環境の悪い地域も多く、そのような地域では日本で走行距離が10万kmまで走っていても慣らし運転のようなものともいわれ、日本の中古車が人気となっていた。

 ここ最近、たびたび豪雨被害に見舞われている千葉県では、あるときの豪雨報道で千葉県某所の中古車販売店に大量の土砂が流入したとして、各メディアで泥にまみれる大量の中古車が映し出された。しかし、中古車販売店と紹介されたこの場所は人里離れた場所にあり、高い塀にも囲まれており、筆者にはヤードとよく表現される、海外への中古車出荷をおもな生業としている業者にしか見えなかった。泥にまみれる車両には軽自動車、ハイブリッドカーなどさまざまな車種が確認できた。

 最近SNSのショート動画を見ていると、場所は定かではないが中東地域らしき中古車販売店に大量の日本から買い付けたらしき8代目クラウンが並んでいた。また、8代目クラウンを購入して海外で乗っているシーンも紹介されていた。4代目クラウン・マジェスタが入荷したとアピールする動画もあった。海外で日本からの中古車を買って楽しんでいるといった個人発信は数知れず、「そんなクルマまで日本から輸入しているの?」というものも見かける。前述したように日常生活の足としての需要のほか、近年のとくに偏った円安傾向も手伝い、趣味的需要の中古車爆買いも進んでいるのである。

 日本からの中古車輸出のお得意さまといえばアフリカ。数年前だがアフリカではキャリーカーに積載して港から目的地へ向かうとトラックごと強奪されるリスクが高いので、それぞれ自走して輸送し、たとえば10台出荷予定のうち8台が無事届けばOKとなりますといった話を聞いたことがある。そんないろいろタフな地域だからこそ、信頼性の高い日本の中古車が重宝されているといってもいいだろう。

 ところがこのアフリカへ向けて積極的な中古車輸出を行っているのが、中国の日系ブランドを扱うディーラー。SNS動画では「中国の新車ディーラーです」などと英語で話を進め、しかも車両価格などは米ドル表示で進めている。クルマについているナンバープレートは間違いなく中国のものとなっていた。日本でいうところの登録済み未使用中古車のように見える現行車ばかりが紹介されていた。中国の景気低迷はよく報道されている。新車販売不振が続き、原価を割り込むような乱売が繰り返されているとも聞く。そこでメーカーだけではなく、新車ディーラーも海外へ注目しているようなのである。

 ただ、日本人がよく知る、またなんとなく知っている主要都市では、ナンバープレートの発給規制があり、闇雲にナンバープレートをつけることはできないため、規制対象外地域の新車ディーラーがおもにアフリカに向けてアピールしているようであった。

 実用目的だけではなく、趣味性という多様化を見せる日本からの中古車輸出界隈。中国では実用車の出荷はできても、自動車産業自体がいまのように小売りメインとなってからはまだまだ日が浅いので、趣味性の高い旧車のような中古車の出荷は難しいだろう。

 日本は旧車に冷たい国(13年ルールなどの存在)なので、海外へ出荷して整った環境で乗り続けたり、保管してもらったほうが旧車にとっては幸せなのかもしれない。


この記事の画像ギャラリー

小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

-

愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

新着情報