「若者の憧れ」は過去のもの?  工場閉鎖に14万人リストラで揺れるVW……アメリカ市場で見えた深刻な現実と一筋の光明 (2/2ページ)

若干回復傾向にあるが油断できない状況が続く

 事実、南カリフォルニアでレンタカーを運転していると、VWのクルマを見かける機会が目立って増えていた。いずれも前年同期比となるが、ジェッタセダン(プラス24.9%)、ティグアン(プラス27.4%)、タオス(プラス0.4%/コンパクトSUV)となっており、この辺りがけん引役となっているようである。

 新型ティグアンのアメリカ市場デビューは2024年11月となっている。なお、この段階ではお披露目だけとなり、2025年3月に価格が発表されているので、2026年に入ってから本格販売活動に入っているともいえ、専門家の評価も高く波に乗って販売台数を伸ばしたようである。

 タオスは、中国でのVWと上海汽車との合弁企業である上汽大衆(上海VW)でラインアップされているタルー XR(途岳 新鋭)の北米版となり、トヨタ・カローラクロスクラスのコンパクトクロスオーバーSUVとなっている(ICE[内燃機関]車)。2020年デビューなのでそれほど新しくはないものの、堅実な販売を続けているようである。

 かつて南カリフォルニアではサーファー、そして大昔にはヒッピーがVW タイプ2に乗り、やはり南カリフォルニアではビートルやゴルフ・カブリオレが女子高生の通学用のクルマといったものが象徴的な光景であり、VW=都会の若者のブランドのようなイメージがあったのだが、今はその面影を感じることはできない。一時期よりは状況は改善に向かっているようだが、これで中国系のカジュアルなBEV(バッテリー電気自動車)がアメリカにも入ってくれば、VW、そして欧州系ブランドの十八番ともいえるBEVすら期待の星とはならなくなるのではないかと考えている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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