日本は13年で重税なのに……日本車が次々とアメリカへ「流出」するも現地で愛されまくっている現実に複雑な気もち (2/2ページ)

ドメスティックモデルも海を渡る

 ニューサム知事といえば、いまもなお州内での2035年以降はZEV(ゼロエミッションビークル)以外の新車販売を禁ずることを貫いている。ニューサム知事が単にクルマ好きだからなのか、それとも政治的パフォーマンスなのかは定かではないものの、仮に政治パフォーマンスであったとしても、このような動きが有権者の支持を得るのに効果的なのが間違いないほど、アメリカでは自動車文化というものが根付いていることを証明するトピックのように見ている。

 自動車が日本の重要基幹産業であることは間違いないし、日本を工業立国として発展させたのも、裾野の広い自動車産業なのは間違いない。しかし重課など日本の高度経済成長を支えた過去の日本メーカー車への日本の政治家や行政当局の対応には、ニューサム知事のような文化をリスペクトする気もちは感じられない。カリフォルニア州も旧車に乗っているすべてのひとへスモッグ・チェックを免除するとはいっていない。文化として捉え、歴史的遺産として旧車を収集している特定コレクターのみを対象としている。

 ここ数年の極端な円安もあるが、日本国内から古い日本車の中古車がアメリカに限らず海外から買い漁られている状況が続いている。そもそも世界的にもクルマを大切に乗り続ける傾向のある日本なので、収集家ではなくても大切にしかもフルノーマルで長年乗り続けているひとも珍しくない。

 V型12気筒エンジンを搭載した2代目トヨタ・センチュリー、トヨタ・クラウン、4代目から6代目あたりまでのトヨタ・カローラセダンGT、日産フィガロ、R32GT-Rなどなど数え上げたらきりがない日本にあった旧車が海外へ流出している。JCCS2026会場ではホンダ・アスコットといった日本専売車やトヨタ・パブリカピックアップなど、アメリカ市場とは縁の薄い車両まで展示されていた。

 会場にいたアメリカ人スタッフの多くは流暢な日本語を話すし、BGMとしてシティポップが流れる会場内の雰囲気は過去の日本車をリスペクトする気もちに溢れていた。「買い漁られている」と前述したが、それが失礼な表現だなと感じるぐらいであった。とにかく想像以上に日本車に特化した旧車文化というものが、人種や年齢、性別のわけ隔てなく盛り上がっている風景に驚かされた。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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