この記事をまとめると
■先代ロンドンタクシーにはロールス・ロイス認定のペイントがされた限定モデルがあった
■わずか5台が生産され新車価格は当時のレートで約2200万円だった
■ナッパレザーをふんだんに使用した車内にはルーフにスターライトまで備えていた
タクシーのベース車としては高価過ぎる2200万円
ロンドンタクシーはいまでこそEVとなってしまいましたが、ちょっと前まではハイルーフの風情あふれるスタイルが街の象徴とも称される人気者でした。
その先代タクシーは2018年に生産終了となったのですが、最終生産ロットで5台だけの限定モデルが作られています。ロールスロイス認定のペイントをはじめ、ゴージャスなインテリア、そして20〜30%ものパワーアップが施され、新車価格は15万ポンド(当時のレートで約2200万円)と破格なもの。そんなスペシャルタクシーが、かつてオークションに出品されていたというので、振り返ってみました!
ロンドンタクシーTX4 ’Last of the Line Edition'のフロントスタイリング画像はこちら
そもそもロンドンタクシーは1948年の初代(オースチンFX3)に始まり、次いでFX4、そして今回出品されたLTI(London Taxi International)製のTX4まで連綿と続く歴史がありました。残念ながら、TX4は中国の吉利汽車に買収されたLTIがロンドンEV社(LEVC)へと変わるのと同時に生産終了。
ですが、これを口惜しく思ったのかイギリス有数のカスタムファクトリー「カーン・プロジェクト」の代表、アフザル・カーン氏が「ならば最後の花を咲かせちゃる」とばかりに一念発起。「TX4の最後」にちなみラスト・オブ・ラインと名付けられた5台のスペシャルエディションが誕生したのです。
ロンドンタクシーTX4 ’Last of the Line Edition'のシリアルプレート画像はこちら
カーン氏は「ロールスロイスに負けないロンドンタクシー」をコンセプトとして、とにかくゴージャスなカスタムに終始しています。たとえば、ボディペイントは5台それぞれが違うコーディネートとなっていますが、すべてのカラーにロールスロイス認定ペイントを使用しています。
また、オークション出品車のように全車がツートーンに設定されているところもロールスっぽいポイント。出品車両は深いパープルとブラックのコンビであり、純正アルミホイールもまた同じブラックで仕上げられました。外装はこのペイントのほか大幅な変更は見られませんが、グリルだけはロールスにも似たカーン・スペシャルが投入され、ボディカラーに加えひと目で違いがわかることに。
ロンドンタクシーTX4 ’Last of the Line Edition'のグリル画像はこちら
そして、インテリアはイギリスがお得意のスペシャルナッパレザーのオンパレード。本来はタクシー、すなわちショファードリブンではあるものの、ハンドルや運転席、ドアの内張まで本革が惜しみなく張られているのです。