この記事をまとめると
■モータージャーナリストの青山尚暉氏が各カテゴリーの新車のベストバイを選定
■「軽自動車」「コンパクトカー」「ハッチバック」「ミニバン」「SUV」にジャンルわけ
■売れ筋モデルであれば文句なしのクオリティに仕上がっているといえそうだ
各カテゴリーのベストバイはこれだ!
モータージャーナリストとして早40年近く仕事をしていて、新車について一応、アレコレ語り、〇なところ、×なところを解説してきたけれど、今回は、ぶっちゃけ、文句なし、ほぼ文句なしにオススメできる新車を、カテゴリー別に振り返ってみた。
●軽自動車編:ホンダN-BOX
軽自動車はいま、背が高く、両側スライドドアを備えたスーパーハイト系が主流。なかでも日本で1番売れているホンダN-BOXの3代目はJOYを含め、ほとんど文句の付けようがない1台だ。現行型は基本部分を2代目からキャリーオーバーしているものの、それは熟成された基本部分を採用していると捉えることができ、軽自動車にして堂々たるエクステリアデザイン、広大な室内、荷室を含む使い勝手のよさ、運転のしやすさ、抜群のシートアレンジ性、先進運転支援機能=ホンダセンシングのさらなる充実度はピカイチ。
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また、生産ラインで人が乗車した状態を模して(車体を押さえつけて)ブッシュを締結することによる高速道路での直進性、安定性のレベルアップ、そして全車に施された遮音フィルムをラミネートしたフロアカーペット、厚みを増したルーフライニングに加え、カスタムはシンサレート吸音材を追加したことによる徹底した遮音、防音対策が功を奏した車内の静かさなど、極めて贅沢な作りになっているのである。
ターボモデルなら一家に1台のファーストカーとしても使えるそのポテンシャルの高さは、コンパクトカー要らずの1台といっていい。だから売れに売れているというわけだ。
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軽自動車では三菱デリカミニ、スズキ・スぺ―シアもなかなかだ。ここでN-BOXになくて、デリカミニとスペーシア(日産ルークスも)にある飛び道具を紹介すると、それは天井サーキュレーター。軽自動車はエアコンコンプレッサーの容量に制限があり、暑い時期に広大な室内空間の隅々までエアコンの冷風を送ることはなかなか難しく、前席は涼しくても、後席は暑い……なんていうこともありうる。
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が、サーキュレーターによって冷風が拡散され、後席でも涼しく過ごしやすくなるというわけだ。後席に愛犬を乗せてドライブを楽しむ愛犬家にとっても、天井サーキュレーター付きの軽自動車は大いにメリットある選択となりうるのである。
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●コンパクトカー編:スズキ・スイフトスポーツ
走り好きユーザーにお薦めの、ぶっちゃけ、これだけよくて安いコンパクトカーはほかにない! といえるのがスズキ・スイフトだ。標準車でもかなりレベルは高いが、そのスポーティモデルの通称、スイスポ=スイフトスポーツは欧州車テイスト満点のコンパクトスポーツ。
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6速MTと6速ATが選べ、走行性能はまさに走り好きのスポーツ心を高揚させてくれる資質あり。それでいて、後席や荷室を含め、ファミリーカーとしても十分に使える実用性を兼ね備え、220万円前後の値付けなのだから、褒めないわけには、薦めないわけにはいかない!!
●ハッチバック編:ホンダ・シビック
このジャンルではホンダ・シビックが最高だ。タイプRは高嶺の花、入手困難だが、2ペダルで乗れるe:HEVモデルは見た目から低重心感覚爆発でカッコよく、乗っても文句なし。加速、曲がる、止まるといったすべての操作が見事に調律されていてシンクロし、まさに意のままの痛快極まる走りを楽しませてくれる。それでハイブリッドなのだ。
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そのe:HEVモデルでサーキットを走行した経験もあるけれど、そうしたシーンでも切れ味鋭く、爽快といっていい走りを堪能させてくれて、走り好きの人も満足必至。後席やラゲッジルームにも余裕があり、ファミリーカーとしても十分使えるのだから万能である。