この記事をまとめると
■最近は受注停止で実際には買えないクルマが増えた
■シビックタイプRは納期3年となった段階で受注停止してから受注を行っていない
■このままシビックタイプRは受注を再開せずに車種自体が消滅する可能性もある
発売されてから受注を受け付けていた期間はほんのわずか
最近はメーカーのホームページなどに掲載されていても、実際には買えない新車が増えた。走行性能の優れたスポーツモデルでは、ホンダシビックタイプRがその代表だ。販売店では「シビックタイプR(の現行型)は、発売直後に大量の注文が入り、受注を締め切った。その後、特別仕様車のレーシングブラックパッケージを加えたが、これも完売した。従っていまはシビックタイプRの受注を一切行っていない」という。
ホンダ・シビックタイプRのフロントスタイリング画像はこちら
シビックタイプRの標準グレードは、2022年9月に発売されたが、その直後に短期間で納期が3年近くまで遅延した。そこで受注を停止させた。
2025年1月には、シビックタイプRの受注を停止させた状態で、レーシングブラックパッケージを加えた。これも短期間で大量の注文が入り受注を止めた。レーシングブラックパッケージは、主に色彩を変更しただけなのに、価格が約100万円高い。それでも短期間で売り切れた。
ホンダ・シビックタイプRレーシングブラックパッケージのフロントスタイリング画像はこちら
以上のようにシビックタイプRは、販売の仕方が粗っぽい。レーシングブラックパッケージは、本来なら標準グレードの納車が完了した時点で(あるいは完了に近付いた段階で)、受注の再開と併せて追加すべきだった。すでに契約している顧客を長々と待たせ、受注も停止している状態で、儲けの多い割高なレーシングブラックパッケージを追加すべきではなかった。
販売店では「レーシングブラックパッケージの納車は、2025年中にほぼ終了する予定で、標準グレードも2026年の前半には終わるだろう」という。
実際に2025年8月上旬時点でホンダのホームページを見ると、シビックタイプRの掲載は依然として続いている。これは近いうちに受注が再開することを意味するのか。この点を販売店に尋ねると以下のように返答された。
ホンダ・シビックタイプRのホームページ画像はこちら
「シビックタイプRはホームページに両グレードとも掲載されてはいるが、現時点で受注を再開する話はメーカーから聞いていない。このまま受注を再開せずに、シビックタイプRという車種自体が消滅する可能性もある」
クルマ離れが進んだといわれるいま、多くの人たちがほしがるクルマは貴重だ。生産を終えず、気もちよく購入できる生産体制を整えて販売を再開してほしい。