この記事をまとめると
■海外では街を走っているマツダ車をよく見かける
■アメリカではCX-5・CX-70・CX-90などのSUVがよく売れている
■MX-5でマツダは「ちょっとプレミアムでスポーティ」というイメージが定着した
海外ではSUVが好調なマツダ
 海外の街かどでそこを走るクルマを見ていると、意外なほどマツダ車を多く目にする。マツダが公表している2025暦年締め上半期(2025年1~6月)でのブランド全体での累計新車販売台数をみると、日本国内が8万1524台(前年比+18.7%)であった。海外も含めた全体では63万6968台(前年比+2.6%)となり、地域別にみるとアメリカが21万297台(前年比+3.9%)、中国3万3876台(前年比-18.7%)、欧州8万3518台(前年比-12.2%)、その他地域22万7753台(前年比+7.1%)となり、海外販売分トータルでは55万5444台(前年比+0.6%)となっている。
 アメリカのマツダのディーラー画像はこちら
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 海外販売で圧倒的なボリュームをもつアメリカの状況をもう少し詳しく見ていこう。アメリカでは第2四半期にトランプ関税による車両価格の値上げ前に新車を買おうという駆け込み需要が発生していた。そのような状況も含めて、2025年1月から9月までの全米累計販売台数をみると、トータル販売台数は31万9664台(前年比+2.0%)という結果となった。
 アメリカ国内における最量販車種はCX-5で10万5788台(前年比+1.7%)となっている。CX-5はトヨタRAV4やホンダCR-Vと同カテゴリーとなるので、アメリカでは比較的カジュアルなモデルに位置づけられる。一方で、FR(後輪駆動)ベースの大型SUVの販売も堅調に推移している。CX-70は前年比+150.7%、CX-90が前年比+15.9%と好調に推移している。トラック(SUV)のトータル販売台数は28万9528台となり、全体のおよそ9割がSUVとなっている。
 マツダCX-5のフロントスタイリング画像はこちら
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 乗用車の販売減はSUVありきとなっているいまのアメリカの新車販売市場では仕方がないのだが、マツダ3が前年比-18.6%と落ち込みが目立っているのだが、MX-5(ロードスター)は前年比+26.3%と絶好調ともいっていい状況で、南カリフォルニアの街かどでもたびたび見かけることができた。
 アメリカで見る限りは、かつてのRX-7のようなロータリーエンジンを搭載したスポーツカーこそ現状ではラインアップしていないものの、MX-5のラインアップが継続しており、「ちょっとプレミアムでスポーティなブランド」というイメージの定着が、マツダのブランドステイタスを上げているようにも見える。
 マツダMX-5のフロントスタイリング画像はこちら
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 新興国ではプジョー車と購入検討していたというケースもある。日本車が強みを見せる東南アジアだが、日本車でも定番はトヨタもしくはホンダとなるので、「他人とはちょっと違うクルマ」ということで、大手外資企業勤務の共稼ぎといった、所得に余裕のある若くて感度のいいサラリーマン家庭のニーズも目立つようである。
 SUVラインアップではコンパクトからフルサイズまで統一したテイストの内外装デザインを採用しており、インテリアにしてもダッシュボートではソフトパッドの採用を統一するなど、見かけだけではなく質感の均一化にも努めたモデル開発が功を奏しているようである。