レーシングエンジンをぶち込んだ最強スペックのフェアレディZ! バージョンニスモをさらに磨き上げた「380RS」はもはや日産の至宝!!

この記事をまとめると

■S耐用レーシングカー直系モデルとしてフェアレディZに「380RS」が存在した

■3.8リッターエンジン搭載で350馬力を発生する高性能仕様

■専用の補強ボディや足まわりを備え300台限定なのが惜しい高い完成度を誇った

レースカーの血統を継ぐZ

 2026年1月から発売予定のマツダスピリットレーシング・ロードスター12Rは、S耐に関わったエンジニアが開発を担当し、サーキット走行を意識したメーカーコンプリートモデルとして話題となったが、S耐直系のコンプリートカーといえば、日産のフェアレディZに存在した「380RS」も忘れてはならない1台だ。

 2007年に登場したフェアレディZ Version NISMO Type 380RS、通称「380RS」は、簡単にいえば、競技専用車両として開発されたフェアレディZ Version NISMO Type 380RS-Competition(380RS-C)のロードバージョン。「380RS」も「380RS-C」も、ベースは日産のカタログモデルだったZ33バージョンNISMO。

 このバージョンNISMOからしてただものではなく、スーパーGTの空力ノウハウを盛り込んだエアロパーツを投入。なにより、日産本社とNISMO、そしてオーテックジャパンの3社のコラボによって製作され、ホワイトボディ状態から溶接面の増加や補強パネルの追加をはかり、大幅な剛性アップを実現していた。

「380RS」は、こうしたバージョンNISMOに、スーパー耐久のST-1クラス制覇のために開発されたレーシングエンジン、3.8リッター仕様のVQ35HR改(400馬力以上)をデチューンして搭載した、レーシングカーのストリートバージョンだったことが特筆できる。

 デチューン版とはいっても、ピストン、コンロッド、クランクシャフトなどの主要パーツは「380RS-C」のエンジンと同じで、組付け精度・クリアランスなどもレース用エンジンに準ずる仕様。

 ノーマルに対し7mmストロークアップしているので、クランクシャフトやコンロッドにも専用でしかも強化品を使用。ピストンも専用の鍛造品で、350馬力、40.5kg-mというスペック以上のパワフルさとドライバビリティを誇った。

 日産のV6で3.8リッターというと、R35GT-RのVR38DETTが有名だが、「380RS」は2007年6月の発売。R35GT-Rは2007年10月の発売なので、元祖はこのVQ35HR改だ。

 ちなみにVQ35HR改とVR38DETTのボア×ストロークは同じ。ただ、シリンダーブロックはVQがオープンデッキでVRはクローズドデッキなので、毛色はかなり違う。

 そして、レース用エンジンをロードゴーイングカーに流用した点では、R380のGR8型エンジンをデチューンしたハコスカGT-RのS20エンジンを思い出すが、フェアレディZ(S30)にもそのS20エンジンを積んだZ432があり、そのレーシングバージョンにZ432Rがあったのは有名な話。Z33でいえば、「380RS-C」がZ432Rで、「380RS」がZ432の再来ともいえる。

 エンジンやエアロパーツだけでなく、サスペンションも専用チューニングが施され、ブレーキもブレンボとなり容量アップされたハイスペックモデルが、300台限定とはいえ539万7000円だったのはあの当時でもかなりのバーゲンプライス。メーカー直系のレーシングライクなZを、ナンバー付きで乗れるようにした「380RS」。いま考えれば、買うべき1台だった(当時ももちろん即完売だった)。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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