ポルシェの頂点に疑いなし! 公道に解き放たれたレーシングマシン「カレラGT」の贅沢すぎる中身【21世紀スーパーカーFILE #024】 (1/2ページ)

この記事をまとめると

ポルシェは開発中だったレーシングマシンをロードカーに転用することを計画した

■2003年のジュネーブショーで「カレラGT」をワールド・プレミアした

■カレラGTは1270台が生産されて現在では貴重なコレクターズアイテムとなっている

カレラの頂点はスーパースポーツの頂点でもあった

 1999年のパリサロンでプロトタイプが公開されてから、それがプロダクションモデルへと進化して、再び姿を現すことが世界のスーパースポーツファンから長く熱望されていたポルシェの「カレラGT」。その夢が結実し、この究極のカレラが正式に発表されたのは、2003年春に開催されたジュネーブショーでのことだった。

 カレラという称号が、ポルシェにとっていかに特別な価値を持つものであるのかは、誰もがそれを知るところだろう。プロダクションモデルでは、1955年に登場した「356A/1500GSカレラDX」と「同カレラGT」に始まり、その後も1960年代には「904カレラGTS」や「906(カレラ6)」、「910(カレラ10)」、そして1973年の「911カレラRS 2.7」などに代表される、高性能なホモロゲーションモデルに使用されたことで、さらにその名声を高めていったカレラ。

 現在ではそれは911シリーズに掲げられるサブネームとして広く親しまれているが、この称号からカスタマーが抱く感情は、いまも昔も変わるところはない。

 カレラGTの解説に話を戻すことにしよう。ポルシェがこのカレラGTの開発プロジェクトをスタートさせたのは1990年代後半のことだった。そもそもの発端は、それまでの「911GT1」に代わる新型のル・マン・プロトタイプの開発にあり、それはレギュレーション変更などを理由に結果としてキャンセルされてしまうことになるが、ここでポルシェはその基本設計をロードカーに転用することで、スーパースポーツの新たな頂点を定義するモデルを生み出すことを計画したのである。

 実際にプロダクションモデルとなって、2003年のジュネーブショーでワールドプレミアされたカレラGTのスタイリングは、基本的にはプロトタイプのそれを継承したものだった。フロントウインドウの傾斜角や保安基準をクリアするための灯火類のデザインなどにはわずかな変化が認められるものの、フロントマスクに精悍な印象を与えるヘッドライトはかつての「917」を、またフロントフェンダーは「718RSKスパイダー」のそれをモチーフとするなど、趣味性の強さも感じさせる造形だ。

 ボディタイプは、デビュー前にはクーペとスパイダーの両方が用意されるのではないかという噂もあったが、ポルシェが選択したのはタルガトップを採用することだった。

 軽量なCFRPで成型されるカレラGTのボディは、もちろんきわめて優秀なエアロダイナミクスを誇っていた。リヤには車速が120km/hに達すると5秒以内に160mmライズアップする可変式ウイングも備えられているが、カレラGTではそのダウンフォースの多くは、ボディ下面のアンダーパネルと路面で構成される、いわゆるヴェンチュリートンネルで発生される仕組みとなっている。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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