そろそろ改正が必要? 変えるならドコ? 30年も変わっていない軽自動車規格は今の時代にマッチしているのか考えてみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■軽自動車は限られた規格内で驚異的な進化を遂げた

■サイズや排気量の拡大は利便性と価格に影響する

■現実的な改善を考えてみるとキモは「全幅」と「ナンバー」色だろう

恐るべき完成度に達している現代の軽自動車

 クルマの進化を冷静に見てみると、日本独自の軽自動車の進化が目覚ましい。その進化のきっかけのひとつが、1993年に登場したスズキ・ワゴンRだったと思う。それまでの軽自動車の歴史を振り返ってみよう。

 1949年に軽自動車の規格が設けられ、全長2800mm×全幅1000mm×全高2000mm以下、エンジン排気量150cc以下でスタートし、1954年ごろには全長3000mm×全幅1300mm×全高2000mm。エンジンの排気量は360ccが上限とされていた。

 やがて1960年代後半の日本のマイカーブームをきっかけに、1975~1976年にはボディサイズが見直され、全長3200mm×全幅1400mm×全高2000mmとなり、あわせてナンバープレートが黄色に。これは高速道路で料金の安い軽自動車を料金所係員が見わけやすいという理由に基づくものとされている。また、ボディサイズの拡大によってエクステリアデザインの自由度や車内の広さも得られることになった。

 1989年には、軽自動車の安全性を高める気運とともに、その車重増に対処するため、エンジンの排気量がついに660ccへと拡大。全長も3300mmとなっている。

 このタイミングで登場したのが1993年デビューのスズキ・ワゴンRであり、それまでの「軽自動車の室内は狭い」という常識を、軽ハイトワゴンというそれまでにないスタイルとパッケージによって解決。1995年には同じく軽ハイトワゴンのパイオニアとなるダイハツ・ムーヴが追従する。

 そして1996年には全長3400mm、全幅1480mmへと拡大。その理由は、衝突試験の基準がこれまでの軽自動車の40km/hから普通車と同じ50km/hに改められ、従来以上のクラッシュブルゾーンが求められたためである。たとえば、現行モデルとして軽自動車最大級のボディサイズをもつスーパーハイト系軽自動車である現行ホンダN-BOXのボディサイズが全長3395×全幅1475×全高1790~1815mmというのも、1996年からの軽自動車規格に基づくサイジングというわけだ。ちなみにエンジン排気量の660cc以下は規格ではなく、自動車メーカーの自主規制となっている。

 さて、本題である。この先に行われるかもしれない軽自動車の規格変更で、なにを望むか、である。

 とはいえ、軽自動車のボディサイズは日本の狭い道にジャストで、狭い道のすれ違いや駐車の容易性などには最適だ。ホンダN-BOXなどのスーパーハイト系軽自動車に触れればわかるように、現在のボディサイズの規格内でも、前後席の広さやゆとり、天井の高さはコンパクトカーを凌ぐほど。

 インテリアの質感の高さや装備の豪華さ、さらには先進運転支援機能の充実度なども、かつての軽自動車からは想像もできない進化を遂げ、ターボを備えていれば一家に一台のファーストカーとしてもまったく不足ない動力性能のもち主ということになる。

 実際、現行車種のターボモデル数車種に3名乗車し、冬の2泊3日滞在の荷物を詰め込んで、東京から片道約180kmの距離にある軽井沢に何度も訪れたことがあるが、関越道での高速走行や、上信越道碓井軽井沢ICからプリンス通りに至るバイパスの標高1000mまで一気に駆け上がる山道でも、パワー不足など感じずに済み、往復ともに運転にかかわるストレスは最小限。疲れ知らずで往復のドライブを楽しめたほどだった。

 さらに軽規格の電気自動車、たとえばホンダN-ONE e:を例に挙げれば、モーターによるスムースな加速性能や車内の静かさ、シートの質を含んだ乗り心地で多くのコンパクトカーを凌ぐほど。もはや驚愕の商品力に加えて走行性能さえもち合わせているのだから、軽自動車の規格を超えた満足度が得られるモデルもいまや存在するのである。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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