この記事をまとめると
■新型RAV4の進化は「Arene」を軸とするSDV化がハイライトとなる
■ZとAdventureの2トリムで性格が明確に分化された
■ブラッシュアップされた走りと知能化によって高水準な完成度を見せた
ハード・ソフトの両面で大幅進化
6代目へと進化した新型RAV4は、単なるフルモデルチェンジという言葉では捉えきれない。本質は「知能化」と「感性」の融合にある。いわゆるSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)への転換点に位置づけられる1台だ。
まず整理しておくべきは、その技術的バックボーンである。今回のRAV4は、電動化を前提としながらも「RAV4らしいタフネス」を決して失っていない。2.5リッターエンジン(A25A-FXS)にモーターを組み合わせたハイブリッド+4輪駆動(E-Four)のシステムは、単なる燃費志向だけではなく、走りの質を引き上げるために再構築されている。
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とりわけ注目すべきは、ブレーキと駆動を統合した新しい動的制御だ。電動車ならではのレスポンスを活かし、従来では不可能だった精密なトラクション制御を実現している。減速回生はフロントのモーターのみで行うが、そのノウハウはTHSで十分築き上げられてきたもので信頼できる。
さらに重要なのが、電子プラットフォームの刷新だ。従来は機能ごとに分散していたECUをドメイン統合し、通信速度と処理能力を飛躍的に向上させ、OTAの適用範囲も拡大された。その中核を担うのが「Arene」だ。ソフトとハードを切り離し、スマートフォンのように進化し続けるクルマという思想が、いよいよ現実味を帯びてきたわけだ。
この基盤の上で構築された第4世代トヨタセーフティセンスや新マルチメディアは、確かに従来の制御からは進化を感じ取れる。ウィジェット形式の操作系は直感的で、レスポンスも大幅に改善されている。だが、こうした「知能化」が本当にドライバーの幸福につながるのかは市場が判断を下すだろう。
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今回はZグレードとAdventureグレードのふたつのキャラクターをもつRAV4を都内の道へと連れ出した。まず試したのはZグレード。いわば都市型の最上級仕様である。
走り出してすぐに感じるのは、電動パワートレインの完成度の高さだ。アクセル操作に対するトルクの立ち上がりは極めてリニアで、モーターとエンジンの切り替えはほぼ知覚できない。4輪駆動を司るE-Fourの制御も見事で、旋回時には後輪が自然に姿勢を支える。ミッドサイズSUVでありながら、車体の一体感は高い。しかし、ここで違和感が顔を出すのが20インチタイヤである。
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確かにコーナリング時のフラット感や見た目の迫力は魅力だが、その代償として路面からの突き上げが明確に伝わる。都市型を謳うZグレードとしての質感が、わずかに損なわれている印象だ。開発陣も「20インチの硬さは完全には取り切れていない」と認める。E-Fourの加速Gを受け止めるために高められたバネ定数と、大径ホイールの組み合わせ。このアンバランスさが、Zのキャラクターにまだ揺らぎを生んでいるようだ。
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インテリアは質感・機能ともに高い。45W出力のUSB-Cポートや100V電源など、現代的な使用前提を強く意識している。これはもはや「道具」としてのSUVというより、「移動する生活空間」に近い。Zは完成度が高い。しかしその方向性は、従来のRAV4像とは少し異なっていて、ハリアーのもつ雰囲気に近づいているように感じさせられた。
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