新車の即売が目的のアジアのモーターショー! それなのになぜいま技術展示が増えているのか?

この記事をまとめると

■アジアの自動車ショーはユーザーへの販売重視である

■技術展示が集客と販促に直結しているため各メーカーが力を入れている

■中国勢はBEV以外を強くアピールする傾向にある

技術展示は“見せる販促”

 アジアの自動車ショーは、会場で新車を販売するトレードショーに特化しているのが大きな特徴。量販主要ブランドの展示ブースには広めでテーブルとイスが多数置かれた商談コーナーが併設されており、一般公開日には多くのセールスマンがブースに詰めて訪れる人へ販売促進活動を展開している。先進国、とくに東京モーターショーからジャパンモビリティショーへと改名した自動車ショーも、過去には会場で熱心に新車を売っていたが、いまでは技術博覧会といったイメージの強いショーとなり、会場での販売促進活動は行われていない。

 先日訪れたタイの首都バンコク郊外で開催された「第47回バンコク国際モーターショー(以下BMIS)」はトレードショーに特化した内容のイベントといっていいのだが、意外なほど会場にはパワートレインの説明用に技術展示が行われていた。

 筆者が訪れたなかでは最大規模といっていい面積のブースを構えたテスラはカットモデルも置いてあり、ずいぶん気合いの入った雰囲気を醸し出していた。ここ最近は数台置くのがやっとのようなスペースのブースを構えていただけに、とても印象深いブースとなった。

 フォードは今回、けん引性能などを高めたレンジャー・スーパーデューティをイチ推ししており、その技術展示を行っていた。アメリカンピックアップトラックらしいかなり骨太のフレームを見れば、「アメリカンピックアップはタフそうだ」と視覚から訴えることもできるので、販売促進効果も高まると判断したのかもしれない。

 BEVイメージの強い中国系ブランドは以前からトレードショーということをあまり理解していないのかと思うほど技術展示を積極的に行っていた。ここ最近の傾向としては、BEVではなくPHEV(プラグインハイブリッド車)の技術展示や、ガソリンあるいはディーゼルエンジン単体の展示も行っている。「中国系はBEVだけじゃないですよ」とアピールしているようであった。

 日系ブランドでは日産がe-POWERの技術展示を行っていたのだが、全体として日系ブランドの技術展示は少ないように見えた。ここ数年でBEV以外にHEVやPHEVといったモデルラインアップも全体的に増えてきているので、それに合わせて技術展示も目立ってきているようにも感じている。

 メカニズムにそれほど精通していない筆者でも、「なるほど」とつい立ち止まってしまうので、お客の足を止めるといった面でも販売促進効果は意外なほどあるのかもしれない。

 一般公開初日の開場前には各ブランドブースでは入念なスタッフミーティングが行われていたが、そこでは展示車の技術的特徴などを確認しているブランドもあった。商品説明がしっかりできれば、お客の信頼感も高まるため闇雲に値引きをしなくても売れることにもつながるので、技術面の説明のために、そして視覚的興味を示してもらうためにも技術展示が目立ってきたのかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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