【試乗】新型アウディQ3は見た目や装備やデジタル化の面では文句なし! 走って感じた「若干の課題」とは? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■アウディQ3は世界的に売れているベストセラーモデルだ

■フルモデルチェンジにより操作系などが一新された

■走りの面ではやや粗が残っているので今後の発展に期待したい1台だ

アウディの人気モデルが生まれ変わった

 アウディQ3はアウディブランドSUVラインアップの中核を担う世界的なベストセラーモデルだ。2011年に初代が登場し、2018年には2代目へ進化。そして今回、3代目へとフルモデルチェンジを受けた。

 試乗車は2リッター直4ターボを搭載する「Q3 Sportback TFSI quattro 150kW advanced」。最高出力150kW(204馬力)、最大トルク320Nmを発生し、7速Sトロニックとquattroシステムを組み合わせる。ボディサイズは全長4530mm、全幅1860mm、全高1570mm、ホイールベース2680mm。ラゲッジ容量は488リットルを確保しており、世界的にジャストフィットしやすいパッケージングだ。

Q3といえば、かつて5気筒エンジンを搭載したRS Q3の鮮烈な走りが印象深い。その記憶が残っているだけに、新型Q3にも走行性能への期待は自然と高まる。

 今回試乗したスポーツバックは、クーペSUVらしい流麗なルーフラインが特徴である。しかし、実用性という観点では通常ボディのQ3に軍配が上がる。スポーツバックはスタイリングを優先したことで後席のヘッドクリアランスがやや犠牲になっており、居住性ではノーマルボディのほうが優れているからだ。

 エクステリアは従来型よりも筋肉質な造形へ進化した。大型化されたシングルフレームグリル、薄型デイタイムランニングライト、水平基調のショルダーラインによってSUVらしい力強さを強調している。リヤも上下分割式テールランプと横一文字のライトバーによってワイド感が増した。

 運転席に乗り込むと、最初に戸惑うのは操作系だ。アウディとして初採用となるインテグレーテッドスイッチモジュールによって、シフトセレクターはステアリングコラム右側へ移された。左側にはウインカーやワイパー操作を集約させている。シフト操作は従来のセンターコンソールレバー式とは感覚が異なるため、最初は違和感がある。しかし、数十分も運転すれば自然に慣れてしまう。

 シフトレバーがなくなったことでセンターコンソールには余裕が生まれ、収納スペースも拡大している。一方で、コラムレバー周辺に使われる樹脂素材の質感はやや安っぽく感じられた。上位モデルへ近づいたデジタル空間とは対照的に、触感ではコストダウンの痕跡も見えてしまう。

 デジタル環境は大幅に進化した。11.9インチのバーチャルコックピットプラスと12.8インチのセンターディスプレイによるパノラマディスプレイは視認性が高い。車載アプリストアにも対応し、Amazon MusicやSpotify、YouTube、DAZNなどの映像・音楽サービスを直接利用できるようになった。

 アンビエントライトも約30色から選択でき、ドアトリムには片側約300カ所のレーザーカットを施したイルミネーションを採用するなど、このクラスとしてはかなり先進的な演出を実現している。これは夜間ドライブで試してみたいところだ。

 ライティング技術も新しい。デジタルマトリックスLEDヘッドライトには片側2万5600個のマイクロLEDを採用。車線変更時のガイド表示や車線逸脱警告、凍結注意表示などを路面へ投影するというユニークな機能を備え、安全性だけでなく情報伝達という役割も担う。

 運転支援機能も大幅に進歩した。アダプティブクルーズコントロール、エマージェンシーアシスト、メモリー機能付きパーキングアシスト、さらに最大50mまで走行経路を自動で後退するリバースアシストなどを搭載し、実用性も高い。ただし、これらはあくまで運転を補助する機能である。高度な支援装備が備わっていても、ドライバー自身が周囲を確認し責任を持って操作することが前提であり、システム任せの運転は避けるべきだ。


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中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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