かつてはタバコとお酒がモータースポーツを支えていたが……時代と共に移り変わる「スポンサー企業」の歴史

この記事をまとめると

■かつてサーキットでは「タバコ」や「お酒」のスポンサーを多く見かけた

■2006年以降は健康などへの配慮から「タバコ」や「お酒」の広告が禁止された

■最近ではまた違ったアプローチで「お酒」やユニークな企業のスポンサー増えている

「タバコ」や「お酒」のスポンサーが消えたワケ

 ひと昔前までは、モータースポーツのスポンサーといえば、タバコおよびお酒のメーカーが主流となっていた。じつは、1970年代から1990年代のF1では「マールボロ」がマクラーレンやフェラーリをサポートしたほか、「JPS」や「キャメル」がロータス、「ロスマンズ」がウイリアムズをサポート。

 一方、WRCにおいても「マールボロ」が三菱やプジョー、「555」がスバル、「ゴロワース」がシトロエンをサポートしていたことは、モータースポーツファンにとって懐かしい思い出だろう。

 お酒のブランドにおいても「マルティニ」がF1でロータス、WRCでランチアをサポートしたほか、「トゥルテル」がラルース、「ビットブルガー」がベネトン、「ジョニーウォーカー」がマクラーレン、「ラバット」がウイリアムズなどをサポートしていた。

 まさにタバコとお酒のブランドが一時はモータースポーツシーンを席巻していたが、2006年に欧州連合がスポーツイベントでのタバコ広告を全面的に禁止としたことで、タバコメーカーの多くがF1やWRCでのスポンサード活動を休止。また、飲酒運転を連想させることから、数多くのお酒メーカーもモータースポーツから撤退してしまった。

 とはいえ、近年は飲酒運転撲滅やノンアルコールの商品をアピールすべく、「ハイネケン」がF1のシリーズパートナーを務めるほか、「ジャックダニエル」がマクラーレン、「シーバスリーガル」がフェラーリ、「シンハービール」がハース、「ジムビーム」がキャデラックをサポート。

 一時期はレッドブルやモンスターエナジーなど、エナジードリンク系のブランドがF1やWRCを筆頭に国内外のモータースポーツを幅広くサポートしていたが、近年はスポンサー企業の種類も多種多様である。

 一例として2026年のF1チームのメインスポンサーをチェックしても、フェラーリがパソコンメーカーの「HP」と石油ブランドの「シェル」、マクラーレンが決済システム大手の「マスターカード」とグーグルの生成AI「ジェミニ」、メルセデスがマレーシアの石油会社「ペトロナス」、ウイリアムズがオーストラリアのソフトウェア企業「アトラシアン」と日本の建設機械メーカー「コマツ」といったようにさまざまな企業がF1にスポンサーとして参入している。

 そのほか、アストンマーティンがサウジアラビアのエネルギー企業「アラムコ」、アウディがデジタル決済など金融サービスを手掛ける「レボリュート」など、まさにバラエティに富んだ顔ぶれで、最近では多くのグローバル企業がモータースポーツを広告ツールとして活用している。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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