この記事をまとめると ■トヨタ車体が開発したノア が全日本ラリー選手権に初参戦
■ほぼノーマルのハイブリッドミニバンながら安定した走りで完走を果たす
■バッテリー残量によるパワーの変化など課題も残り来季以降に期待
ミニバンが全日本ラリー選手権に参戦 全日本ラリー選手権・第8戦「M.C.S.C .ラリーハイランドマスターズ」が10月16日〜18日、岐阜県高山市を舞台に開催。2025年のJN-5クラス王者、河本拓哉選手が昨年までのマツダ・デミオから現行ND型ロードスターにマシンをスイッチしたことで注目を集めていたが、もう1台ユニークなマシンが登場していた。
それが、OP1クラスにTEAM HIACE TOYOTA AUTO BODYが投入した81号車「トヨタ車体ノア」で、ミニバンのノアが全日本ラリー選手権に登場したのである。
81号車「トヨタ車体ノア」 画像はこちら
同モデルはTGRラリーチャレンジをターゲットに2024年に開発されたマシンで、その後は地方ラリー選手権にステップアップ。そして、ついに国内最高峰のラリーシリーズにステップアップを果たした。
気になる主な改造ポイントとしてはダンパー&スプリングにブレーキパッド、タイヤ&ホイール、シートおよびハーネス、あとはロールゲージ程度で、いわばほぼノーマルといった仕上がりだ。
「トヨタ車体ノア」ロールケージ 画像はこちら
「トヨタ車体で作っているクルマでラリー競技にチャレンジしたいと思いまして、2023年にハイエースを作りました。第2弾として2024年にノアを開発。ハイエースもですが、もともとラリーのベース車ではないので、すべてのパーツがワンオフの専用設計ですから最初は苦労しました」と語るのは、トヨタ車体のラリー推進グループで主担当員を担う松浦健氏。
さらに「ディーゼルエンジンのハイエースに対して、ノアはガソリンハイブリッドですが、皆さんが思っている以上によく走ってくれます。それでも車両重量がハイエースよりも重たいこともあって、バッテリーが切れると非力になってしまう。全日本選手権は地方選手権と比べてもSSの距離が長く道もハードなので、ノアにとっては大きなチャレンジになると思います」と付け加える。
「トヨタ車体ノア」ターマック走行 画像はこちら
ドライビングを担当するのは、ノアとともにTGRラリーチャレンジ、地方ラリー選手権を戦い、今大会で全日本ラリー選手権へのデビューを果たした高井義博選手で、「ミニバンということで『横転するんじゃないのか?』と心配される方も多いんですけど、運転してみるとそんな感覚はなくてすごく安定しています。細かいS字とかでも荷重移動がわかりやすいですし、ロールもそこまで大きくないので、ドライビングしていても怖くない。操舵に対して素直に曲がってくれるので運転しやすいです。ミニバンなので視界も良好ですし、車両重量は重いけれど、回生しているのでバッチリ利いてくれます」とインプレッション。
その一方で「バッテリー残量があるときはモーターのパワーで登ってくれますが、切れてしまうと辛いですね。そのため、うまく回生して充電させるべく、どのような走り方をすれば回収率がいいのかを意識しながらドライビングしています」と高井選手は語る。
「トヨタ車体ノア」ターマック走行 画像はこちら
こうして注目を集めたトヨタ車体のノアはレグ1、レグ2ともに安定した走りを披露。「ノアも私も全日本選手権が初めてなので、まずは完走を目標に走りたい。次回に向けて課題を見つけるような気もちでドライビングしたいと思います」との言葉を実践するように高井選手は無事完走。TEAM HIACE TOYOTA AUTO BODYによれば来年以降も全日本ラリー選手権にチャレンジする予定なので、今後も「トヨタ車体ノア」の動向に注目したい。