【ホンダF1】事前シミュレーションではトップ10予想も日本GPで惨敗した理由とは? (2/3ページ)

パワーが不足しているからダウンフォースが上げられない

 長谷川F1プロジェクト総責任者は、「ここのコース特性、とくにS字がよくなかったです」とコメントした。

 アロンソの、「トラックのレイアウトは僕らに合ってないのは明らかだったし、高速セクションでのダウンフォース不足だった」という答えにマクラーレン・ホンダの弱点が見えた。

Suzuka Circuit, Japan. Friday 07 October 2016. World Copyright: Andy Hone/LAT Photographic ref: Digital Image _ONZ3586

 長谷川F1プロジェクト総責任者は、アロンソが明言しているように、マクラーレンのダウンフォースが足らないとはいっていない。ダウンフォースが足らないという現象は、あたかも、車体側のマクラーレンの責任と取られがちだが、そうとばかりとはいえないからだ。

 ダウンフォースは鈴鹿サーキットを速く走るために重要な要素だ。鈴鹿は、今年21戦行なわれるサーキットの中で、5番目に高速。平均速度は、平均240km/hをオーバーするモンツァの、230km/h以上のスパ-フランコルシャンは別格として、シルバーストンと並んで、鈴鹿は220km/h辺りに位置する。

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 ところが、ダウンフォースレベルは、もっとも遅い平均150km/hほどでしかないモナコと同じともいわれる。中高速のコーナリングがタイム短縮に重要なのは、鈴鹿がテクニカルなレイアウトだからだ。高速なのにダウンフォースが必要なコース。ドライバー全員が、鈴鹿が「もっともチャレンジング」というのは、そういうコースだからだ。

 18歳で最年少F1GPウィナーのマックス・フェルスタッペンに、「鈴鹿のどこが一番好きか」と尋ねたら、「ハイスピード・セッション。1コーナー、2コーナーからS字にかけての区間だ」と即座に答えた。

Suzuka Circuit, Japan. Friday 07 October 2016. World Copyright: Andy Hone/LAT Photographic ref: Digital Image _ONY4652

 チャレンジングということは、つまりこの区間がタイム短縮に大きく寄与する、いとうことだが、マクラーレン・ホンダはそこが遅かった。そしてそれはダウンフォース不足が大きな要員だったのだが、では、どうしてダウンフォースを大きくできないかといえば、それはパワー不足だからだ。

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 ダウンフォース不足という言葉を捉えて、マクラーレンの車体が、という意見がネットに出回っているが、それはトータルパーケージの意味をわかっていない意見だ。パワーがあれば抵抗が大きくなることを恐れずにダウンフォースを大きくできる。しかし、それができないていなことに、長谷川祐介F1プロジェクト総責任者のコメントから、忸怩たる思いが忍ばれる。


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