アルミホイールなどクルマで多用される「アルミ素材」は劣化しないってホント?

鉄よりも酸化に強いが腐食しないわけではない

 軽くて、美しくて、加工しやすいアルミは、非常に身近な自動車用部品の素材のひとつ。そのアルミの特徴として、錆に強いイメージを持っている人も多いのではないだろうか? たしかに、アルミは鉄のように酸化して赤錆が浮いてきたり、黒っぽくなってくることはないが、耐食性が強く腐らないだけで、アルミだって鉄と同じように酸化はする。

 ただし、アルミは酸化しても、表面に無色透明の酸化皮膜を生成されるだけで、この皮膜が腐食を自然に防止してくれるので、耐食性が強い特性を持っている。

 純度100%の純アルミニウム製の1円玉は、まさにこの特性通りだが、自動車部品のアルミパーツは、アルミに銅やマンガン、マグネシウムや亜鉛を加えた、『アルミニウム合金』なので、錆びない代わりに、経年劣化で白いブツブツが出る=腐食することがある。表面上の腐食は、機能的にはほとんど影響はないが、見た目上は気になるところ……。

 一度腐食してしまうと、なかなか元通りのきれいな表面には戻せないので、ホイールなど目立つ部分は、腐食させないようにメンテナンスすることが重要。

 アルミの腐食の原因は、塩分とくに雪国でおなじみの融雪剤(塩化カルシウム)。そしてブレーキダストやホコリやチリ、排ガスに水分が加わると腐食のもとになる。

 というわけで、洗車をするときは、ホイールなどのアルミ部分も、小まめに洗うことが、アルミの腐食対策としては一番有効。

 もし、アルミが腐食してしまったらどうするか……。ポリッシュ系やアルマイト系のアルミで軽度な腐食なら、専用のケミカル剤を使えば比較的簡単にきれいに磨ける。

 裏技として、家庭用のクレンザーを使ってブラシで磨く方法も! ただし、クリアの塗膜も削れている可能性があるので、磨いたあとコーティング剤などでケアしておく必要はあるかもしれない。

 また塗装済みのアルミホイールの腐食は、塗装面の下地のアルミ部分が腐食しているので、かなり厄介(本格的にリペアするには、塗装を剥がす必要がある)。メッキパーツも腐食するとメッキが剥がれ出すので、要注意。

「アルミパーツは、錆びない」と油断せずに、定期的なクリーニングとメンテナンスを心がけよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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