安全面で有利とのデータも! AT車よりMT車が優れているポイント6つ (2/2ページ)

MT車のほうが事故が少ないというデータも!

4)MT車は安全

 鳥取環境大学の調査によると、車百台当たりのAT車の事故率は、MT車の約2倍も高いというデータがある。とくに、追突・出会い頭衝突・右左折時の衝突の3項目では、AT車の事故率はMT車のおよそ2倍と突出している。

 同大学では、「(ATで)運転を楽にすることは、ドライバーの運転への注意を減らし、事故を増やす」とその原因を分析している(ドライバ心理と安全運転)。また、近頃話題のブレーキとアクセルの踏み間違えによる事故も、MT車ならばかなり防げるという意見も良く聞く。

 メカニカルな問題だけでなく、MT車好きは、クルマや運転への関心が高く、平均的なスキルもATユーザーより高い可能性もあるが、いずれにせよ、統計的にはMT車の事故率が低いことは証明されている。また、18歳未満の無免許の子供が、勝手にクルマを動かす、といったリスクも、MT車ならかなり減らすことができるはずだ。

5)シンプルなので丈夫で長持ち

 オーバーホールも難しくないMTはシンプルな構造なので、基本的に丈夫。部品点数も少ないこともあり、オーバーホールも安いし、古いクルマでも修理可能。それに対し、ATが壊れた場合は、中身が複雑でデリケートなので、ディーラーや街工場では直せない。新品もしくは、リビルト品にそっくり交換か、(高価なので)クルマごと買いかえることを勧められてしまう……。

6)MT車は安い

 車種にもよるが、MT車のほうが新車の車体価格が安い傾向がある。とくにヨーロッパ車は、同じ車種ならATよりもMTのほうが安価でお買い得。

7 )MT車は燃費がいい!?

 燃費についても、ATとくにトルコンタイプは、伝達ロスが大きく、燃費に不利と言われていたが、多段化+ロックアップ機構などの進化もあり、JC08モードのカタログ値では、MTよりATのほうが低燃費になっているので、燃費のアドバンテージは、もはや失われたと考えたほうがいいだろう。(計測方法が、ATに有利という面もある)

 このように、ざっと見ただけでも、MTにはこれだけのメリットがある。今や少数派のMTだが、MTならではのドライビングプレジャーを愛してやまない人も多いので、スポーツカーを中心に、各社とも数車種はMT車を作り続けてほしい。

 EVはトランスミッションが基本的に不要で、ATやCVTが嫌いという人も、DCTならOKだったりするので、10年、20年後のMTがどうなるかは、正直不安だが、仮に新車からMTがなくなっても、音楽のソフトで、アナログのレコードが見直されているように、MTでなければという愛好者は、一定数はずっといるはず。
万人向けではないが、クルマの楽しみ方のひとつとして、MT車を作り続けてほしいものだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報