本格的な不景気を予感しつつも名&迷車は生まれる! 平成5年誕生のインパクト大な国産車4選 (2/2ページ)

一大ブームを作り上げた偉大な軽自動車もこの年に誕生!

3)ユーノス800

 ユーノス800はFFレイアウトで現在のベンツCクラスやBMW3シリーズのようなプレミアムセダンを目指したクルマで、塗装などクオリティの高さをアピールしていたが、クルマ自体にそれほどインパクトはない。

 では何にインパクトがあったかというと、燃費に代表される効率に優れるミラーサイクルエンジンを量産車として初めて搭載した点である。

 当時のミラーサイクルエンジンは効率に優れる代わりにパワーが出しにくいという欠点があり、ユーノス800はスーパーチャージャーという過給機を加えることでパワーを補っていたため、残念ながらさほど燃費は良くなかった。

 しかしミラーサイクルエンジンは、のちにトヨタのハイブリッドカーやマツダでは3代目デミオ、現在のスカイアクティブGなど多くの搭載車が登場。今では過給機やハイブリッドカーのモーターのようなエンジンのパワーを補うものなくエンジン単体で十二分なパワーを出せるほどに開発が進んだ。

 このことを思うと、ミラーサイクルエンジンを初めて量産化したユーノス800の功績は記憶に留めていい出来事だろう。

4)スズキ・ワゴンR(初代)

 初代ワゴンRは「限られた軽自動車のサイズでスペースを広く取るには全高を上げるのが一番」というコンセプトで、全高を1600mm台に上げた、今になると多くの人が思いつきそうなモデルである。

 だが、それを実行するのは大変な勇気が要ることで、当初は当のスズキすらそれほど売れるクルマとは思っていなかったようだ。

 しかしフタを開けてみると広さや着座位置を上げたことによる見晴らしの良さ、ある種の珍しさを理由に初代ワゴンRは大ヒット車となった。さらにダイハツ・ムーヴやホンダ・ライフといったワゴンRの影響を多大に受けた後追いも登場し、今では当たり前となった軽ハイトワゴンという新しいジャンルを開拓した。

 最近は軽自動車業界にダイハツ・タントを代表とするスーパーハイトワゴンや、スズキ・ハスラーのようなクロスオーバーが登場するなど、さらにジャンルが多様化していることもありワゴンRは以前ほどは売れなくなった。それでも堅調に売れ続けており、ワゴンRは偉大な存在と断言できる。


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