「N」はあるのに「P」は? MT車に「Pレンジ」が存在しないワケ (2/2ページ)

MT車は1速かバックに入れることでPレンジと同じ効果が得られる

 ただし、坂道に駐車する場合は、ちょっと注意が必要。クルマの取扱説明書にも、「坂道での駐車は、パーキングブレーキをかけ、マニュアル車はチェンジレバーを1速またはR(バック)に、オートマチック車はセレクトレバーをPに入れてください」と書かれているはず。つまり、あくまでメインはサイドブレーキだが、補助的にAT車ならPレンジに入れ、MT車なら1速かバックギアに入れておけば、AT車のPレンジとほぼ同じ効果が得られるというわけ。

 逆にいえば、MT車は1速かバックに入れておくことで、サイドブレーキのバックアップ機能を得ることができるが、AT車ではそれが望めないので、その代用としてわざわざPレンジを設けたともいえる。だからMT車にPレンジがないのは、当たり前といえば当たり前。

 ちなみに、BMWのMシリーズのように、2ペダル車でも、「Pレンジ」がないクルマはいくつかある。BMWのようにDCTは、ATではなくMTの一種と考えているクルマは、2ペダルでもPレンジを設けないのだろう。

 また、電動パーキングブレーキのクルマなら、手動のサイドブレーキのように利き具合が力加減に左右されることがないので、「利きが甘い」という心配がないので、Pレンジのバックアップも原則不要になる方向に?(反対に、Pレンジに入れると自動的に電動パーキングブレーキが働く機能もある)

 というわけで、MT車は、駐車中、1速かバックにギアを入れておけば、AT車のPレンジがわりになるので、Pレンジは必要なかったということだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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