ユーザーは続々と所有からシェアへ! 日本の自動車メーカーに迫る存続の危機とは (1/2ページ)

じつはクルマを活用している人の数はいまも減っていない!

 若者のクルマ離れといわれて久しいが、クルマ離れするのは若者だけではない。年齢を問わず、クルマ離れの動きは否定できない。ただし、クルマ離れという言葉遣いが曖昧であり、正確にいえば、クルマ所有離れということだろう。

 国内のクルマの保有台数は、バス/トラックなど商用車を含め現在520~530万台で推移している。その大半は乗用車だ。もっとも台数が多かったのは1990年代のバブル経済期で、700万台であった。それからすると、200万台弱のクルマが路上から姿を消したことになる。一方、商用車はそれほど変化がない。したがって、減ったのは乗用車であり、自動車メーカーが危機感を覚えるのは当然だ。

 一方、カーシェアリングの会員数は150万人に達している。つまり、所有はしないが利用する人が150万人いて、所有し利用している520~530万人と合計すると、670~680万人がクルマを活用していることになる。その数は、バブル期の保有台数の700万台に近い。

 つまり、クルマ離れはしていないことになる。そして、クルマ所有離れしていることが明らかだ。ここを見極めず、単純に若者のクルマ離れなどという認識でいるので、ドリフトしている映像を流せば人はクルマに関心を寄せるといったような勘違いが起こる。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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