自動車メーカーの狙いは? 生産終了に伴い「ファイナルエディション」という名の特別仕様車が登場するワケ (1/2ページ)

「これで最後」購入を迷っていたユーザーの背中を押す意味も

 東京モーターショー2019で初めて実車が展示されたスバルWRX STIのEJ20ファイナルエディションや、本年度末で生産を終了することがアナウンスされているトヨタ・マークXのファイナルエディション、2015年に登場した三菱ランサーエボリューションXのファイナルエディションなど、ここ数年メーカーが登場させるファイナルエディションの存在が目に付く。

 しかしその一方で、7月末で受注を終了し、30年近い長い歴史に幕を閉じたトヨタ・エスティマや、マークXと同じく年内を持って姿を消す日産キューブなどにはファイナルエディションは設定されていない(キューブには今後設定される可能性もゼロではないが)。

 エスティマもキューブも、モデル末期はあまり売れてない車種となってはいたものの、どちらも一時代を築いた名車であることに変わりはない。それこそ数年で販売不振によってひっそりとラインアップから消えていった車種とはワケが違うのに、この扱いの違いは何なのだろうか?

 ここはやはり、人気の違いが如実に表れているのではないだろうか。もちろんエスティマやキューブも人気車種ではあったが、WRX(EJ20)やランサーエボリューションなどは、とくに熱狂的なファンを持つモデルとしても知られている。そのため「これで最後」ということを明確に示すことで、購入を迷っていたユーザーの背中を押すという意味も少なからずあるだろう。

 また、限定車とすることで、万が一売れ残ってしまって在庫を抱えるというリスクを減らすという意味合いも持ち合わせているハズだ。恐らくEJ20ファイナルエディションもランサーエボリューションファイナルエディションのときと同じく予約が殺到するだろうから、特別に仕立てたモデルの在庫がダブつくことはないだろう。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
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長距離ドライブ
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