同じクルマなのに調子が違う! 自動車の「アタリ」「ハズレ」は今でも存在するのか? (2/2ページ)

問題のない範囲での精度のバラつきは認められている

 では、ばらつきがあるとダメなのかというと、公差というものが設計上認められていて、その範囲であれば異常なしとするのが一般的。その幅は部品や部位によって異なるが、100分の1mm単位だったりすることもある。そもそもクルマ自体が左右で長さが違っていることもあったりするが、ボディほど大きいものになると、数センチもの幅が公差として認められるケースもある。

 公差に幅が出てしまうのは、やはり大量生産ゆえのことだが、部品単体では問題なくても、たとえば公差の範囲ギリギリのパーツだらけで組み合わされた場合、結果として公差を超えてしまうこともありうるわけで、その結果がハズレということになる。逆にいいものはあたりというわけだ。

 また、組み立てのロボット化が進んでいるとはいえ、人間による作業も多く、そうなると差が出てしまうこともある。たとえば、溶接は問題なくても、作業者によってばらつきが出てしまうし、最近、いろいろなメーカーで匠と呼ばれる熟練工が話題になるが、匠がいるということは逆にそうじゃない人もいると言うことだ。もちろん全員が作業自体に問題がなくても、そこに差はあるわけで、アタリ・ハズレに関係しないともいい切れない。もっといってしまえば、ロボットが組み立ててもばらつきはでてしまう。

 最近では生産技術も大きく向上して昔ほどはアタリ・ハズレはないのが実際だが、検査では引っかからないレベルではあるが運悪くいろいろなものが重なった場合、ユーザーが体感できることになることもありうるわけだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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