【鉄仮面やR32など過去にはないクルマも存在!】クルマに「フロントグリル」は必要あるのか (2/2ページ)

グリルのないクルマでも機能的に問題はない!

 グリルレスのクルマといえば、日産のインフィニティQ45などが印象深い。このインフィニティをはじめ、プレセアやNXクーペ、スカイラインR32のGT-R以外のモデルなど、1990年代の日産車にはグリルレスが目立った。またR30スカイラインの「鉄仮面」もグリルレスといえるかもしれない。

 こういうグリルレスのクルマがあることからもわかるとおり、機能的にいえば、フロントグリルは必ず必要というものでもない。

 一方で、アルファードなどのミニバンでは、メッキの大型グリルが人気で、いわゆる“ドヤ顔”が流行している……。

 エンジンではなくモーターで走るEVなら、フロントグリルは不要という気もするが、じつはEVにもバッテリーやインバータを冷やすためのラジエターは必要。モーターも熱を発するので、グリルがいるかどうかは別にして、冷却ダクトはマストになる。

 歴史的にみても、グリルレスのクルマはヒットしにくいとも言われているし、初代のリーフが登場したときも、グリルレスに抵抗を感じた人も多かったという……。

 グリルレスのクルマは少数派なので、顔にマスクをしているように見えて、違和感があるのかもしれない!?

 というわけで、機能的にはあってもなくても構わないフロントグリルだが、デザイン的な重要度はむしろ増してきているというのが現状で、各社もけっこう力を入れている。ただし、機能的な制約がないので、グリルレス=未来的なクルマといった流行をどこかのメーカーが作り出せば、一気にそっちに流れる可能性もある。

 この先、ユーザーが選ぶのは伝統的なグリルか、それとも先進的なグリルレスか? カーデザイナーの腕の見せ所といったところだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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