働き方改革が影響! 日本の新車販売不振とディーラー定休日の関係 (2/2ページ)

富裕層は日曜日にクルマを買わない!

 ここでまた話はそれるが、アメリカの高級ブランドを扱うディーラーのセールスマンに話を聞くと、「アメリカではメインターゲットとなる事業家や個人投資家などの富裕層は基本的に日曜日には買い物をしません。別荘に出かけたり、自己所有のクルーザーで海に出るなど余暇を楽しみます。サラリーマンとは異なり、平日も時間の自由がききますので、買い物は平日に行います。新車もしかりです」と語ってくれた。

 日曜日に南カリフォルニアの某高級ブランドディーラーに行くと、日本の店長にあたるゼネラルマネージャーは休みをとっており(当たり前とのこと)、店舗にいるセールスマンもリラックスしていた。そしてまだ明るい夕方5時ごろに店を閉めていた。話を聞くと、日曜日に店を開けるのは“予備営業日”のようなもので、飛び込みの接客をメインとしているとのこと。日本でも高級ブランドディーラーが日曜日に店を開けるのは、平日に時間の取れないサラリーマンなどの客をメインに狙うためとの話を聞いたことがある。

 年末年始やお盆、ゴールデンウイークに日本のディーラーは長期休業を取るが、過去には連休の前後に交代で出勤するなどして、なるべく店舗を稼働させようとしていた。しかし、いまは人手不足に加え“働き方改革”もあり、連休は一昔前に比べて長期化している。

 ただでさえ、通常営業でも就業時間が厳しく管理されるようになり、午後7時ぐらいまでには閉店してしまうので、稼働時間、稼働日数ともにかなり少なくなっている。労働環境の改善が進むことはけっして悪いことではない。ただ新車が以前より思うように売れないと言われて久しいが、このような背景も影響しているといっても過言ではないだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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