日産やホンダが「クラウン」や「カローラ」を生み出せないワケ (2/2ページ)

カローラが属するCセグメントカテゴリーでは逆転も可能!

 逆に、カローラの属しているCセグメントカテゴリーでは商品力によって逆転可能だろう。それはカローラ自身がプリウスを押しのけて2019年度の販売トップに立ったことで証明している。とはいえ、ある程度の規模で売れていて、なおかつネームバリューもあるモデルに注がれる開発リソースが大きいのは当然で、そこまで実績のないモデルが同等以上の開発リソースを割いて、商品力で超えるというのは非常に難しいだろう。

 結果として売れるクルマはますます売れ、売れないクルマはいつまでもうだつが上がらないという状態が続いてしまう。だから、日産やホンダは「カローラ」や「クラウン」に匹敵するモデルを生み出せないでいる。さらに売れていているモデルは自身のブランドイメージを高めていくので、ますます差がついてしまうというわけだ。

 かつてCセグメントにおいてカローラを追い落としたのはハイブリッド専用モデルとして新しい価値を提案したトヨタ・プリウスだった。日産やホンダの立場になって考えると、強烈なブランド力を持つライバルにガチンコで打ち勝つモデルを生み出すより、異なる価値観を提供することで新カテゴリーを開拓することに勝機があるといえる。

 もっともユーザーからすると、同カテゴリーに魅力的なモデルが多く並び、各社が切磋琢磨することは商品性アップにつながるのでメリットにもなる。選択肢が増えることは楽しみにもなるだろう。その意味では「日産やホンダの奮起に期待したい」というクルマ好きも多いはずだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報