免許取得者は減ってもガンバる日本車! じつは多いスポーツカー以外の国産MTモデル (2/2ページ)

軽自動車や輸入車でもマニュアルを楽しめるモデルが存在!

 その点では、スズキも似ているといえるだろう。本当はスポーツカーが欲しいけれど、ファミリーマンとして、家族のためにちゃんとしたリヤドア、後席があるクルマにせざるを得ない……そんなスポーティカーファンに贈る1台が、スイフトスポーツだ。6速MT車の走行性能は文句なしに欧州ホットハッチ的で、日本車から極めて遠いところに位置する上質でファンなコンパクトカーそのものだ。

 そのスケールダウン版!? と言ってもよさそうなアルトワークスにも5速AGS(2ペダルのマニュアルトランスミッション)とともに、主役と言える5速MTを用意している。本格SUV、クロスカントリーのジムニーシエラやジムニーにMTがあるのは当然としても、軽乗用車のワゴンRやアルトにも、ワゴンRの場合では非ハイブリッドのエントリーモデル限定ではあるものの、依然として、愛好家のために5速MTを用意しているのがスズキなのである(ダイハツの乗用軽自動車にMTはない/コペンを除く)。

 もっとも、今ではダイレクト感ある走りは、フォルクスワーゲンのDGSに代表される2ペダルのMTでも安楽に楽しめるし、MTだとACC(アダプティブクルーズコントロール)の渋滞追従ができないなど、頭に入れておくべき点があるのも事実ではある。

 ところで、ボクが免許を取得した40年以上前は、教習所のクルマはMTしかなかったし、最初の愛車のいすゞ117クーペ、初めて手に入れた輸入車のゴルフ2、そしてその後のミニやマセラティ・ビターボもMTで乗った。自身としてはマセラティが最後のMTとなり、個人的にはもはやスポーツカーであっても3ペダルのMTで乗ることはないだろうが、愛車歴のなかでMTの楽しさは十二分に味わせてもらったと思っている。若い世代で、これから愛車歴を重ねていく人は生涯のうち、せめて1台ぐらいはMTで乗ってほしいと思う。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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