すべては乗員の快適な移動のために! トヨタ・グランエースのメカニズムに迫る (3/3ページ)

POWER TRAIN あらゆる性能を高次元で調和させた

 グランエースに搭載されるエンジンは、2.8L直噴ディーゼルターボ(1GD-FTV)となる。GD型はすでにハイラックスやランドクルーザープラド、そして海外仕様のハイエースにも搭載されている。マイナス40度以下の気温となる寒冷地域や、4500m超の高地など、通常では考えられない過酷な使用環境に対応するタフなエンジンだ。グランエース用は、基本的にはランドクルーザープラドと同じユニットとなる。

 国内仕様のGD型は、尿素SCRシステムを採用したクリーンディーゼルだ。GD型は従来のKD型エンジンに対し、小排気量で高出力、さらには小型軽量という特徴がある。グランエースへの搭載に関しては、車両重量に見合ったトルク特性を発揮することに加え、直列4気筒ならではのコンパクトさもその理由のひとつとなった。

 トヨタの次世代ディーゼルとして開発されたGD型は、吸入空気量の増大や燃焼温度の制御により、高い熱効率(最大44%)を実現した。具体的には、高効率低流動吸気ポートを採用し、吸入空気をストレスなく燃焼室に流入させることによって、圧力損失の低減を図っている。高圧・高制御コモンレール式燃料噴射システムによる燃料噴射位置やタイミングの最適化により、燃焼温度をコントロール。燃料噴射も1燃焼に対し3回行うことで燃焼効率を高めている。

 ターボチャージャー(トヨタ内製)は小型化・高効率化により、エンジン本体の性能向上と合わせて、約50%の高応答化を実現している。こうしたエンジン全体の高効率化に加え、アイドリングストップ機構も搭載している。

 この2.8Lディーゼルエンジンにトランスミッションは6速ATを組み合わせ、WLTCモード燃費は10.0㎞/Lを達成している。ギヤ比はランドクルーザープラドやハイラックスと同様だが、最終減速比をグランエースの車両重量やタイヤサイズに合わせて最適化している。


新着情報