ここまで流行るとは予測不可能? ブームを巻き起こしたジャンルの「開拓車」4選 (2/2ページ)

ステーションワゴンのイメージを一新させたモデルも登場

3)スバル・レガシィ

 ステーションワゴンというカテゴリーはあっても、ライトバンと呼ばれる商用バンをベースに乗用仕立てをしたという域を出なかった国産車において、完全に乗用仕様を基本としたステーションワゴンというキャラクターを初めて提示したのはSUBARUレガシィツーリングワゴンだ。そのデビューは1989年。そう、ロードスターやGT-Rなどが生まれ日本車ビンテージイヤーといわれた89年組の一台なのである。

 レガシィツーリングワゴンのトップグレードには、2.0リッター水平対向ターボエンジンが搭載され、しかもフルタイム4WDの駆動方式はスポーツカー顔負けのパフォーマンスを発揮したことはインパクト大で、一気にステーションワゴンのブームを巻き起こした。

 乗用ワゴンのフォロワーとして三菱レグナムやトヨタ・カルディナ、日産ステージアなど数々のモデルが登場するが、いずれも「快速ワゴン」キャラで競い合っていたのは、レガシィツーリングワゴンの影響を大きく受けていた証だ。

4)ホンダ・オデッセイ

 日本の、子育て世代がクルマを選ぼうという際に第一候補として「ミニバン」を挙げることが多い。こちらも、もともとは商用1BOXをベースに乗用仕立てにしたものがルーツで、その時代はポピュラーにはなり切れていなかった。日本においてミニバンというカテゴリーが爆発的ヒットを遂げるに至ったのは、ホンダが3列シートの「オデッセイ」を出したときだ。

 従来、商用車ベースというイメージが強かったミニバンだが、オデッセイは乗用車のプラットフォームを採用、後席もヒンジドアとすることで、スタイルと走りの両面でスマートな仕上がりとなっていた。利便性が高く、走りのストレスもないということで、まずはこうしたスタイルのミニバンが主流となっていく。

 その後、ミニバン市場が成熟してくると後席ドアはヒンジタイプよりスライドドアのほうが便利ということになって、現在のスタイルへと進化していった。オデッセイも5代目になって、ついにスライドドアを採用するが時すでに遅し。かつての主役は、いまはわき役となってしまっている。それでもオデッセイの誕生がミニバン市場を拡大したという功績は色あせるものではない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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