「ローン? キャッシュか?」は昔の話! いまどきのクルマの乗り方7つとメリットデメリット (2/2ページ)

これまでにはなかった新しいタイプも誕生

4)目先の負担を軽くすることができる「残価設定ローン」

 そうは言ってもやっぱり愛車は所有を前提にしたい、というユーザーが目先の負担を軽くして新車を手に入れる手段が、最近増えている「残価設定ローン」と呼ばれる買い方だ。通常、乗用車の場合は初回車検となる3年後のリセールバリューを設定して、その分を除いた金額に手数料や諸費用を乗せた額を支払うというシステムだ。

 単純にいえば300万円のクルマの3年後の残価が180万円だったとしたら、とりあえず120万円に金利や手数料をかけた金額を36回払いにすることで新車に乗れるため、目の前の負担が軽くなるのがメリット。ただし、そのクルマが気に入って3年後に本当に愛車にしたいと思ったら、残価を支払う必要が出てくる。そのため、最終的に所有したいと思うのであれば収入に対して背伸びしたクルマを選ぶことはできないのが注意点。また、傷が多かったり、事故を起こしてしまったりすると残価が下がってしまうため、やはり最終的に清算する金額が大きくなってしまうこともあるので、注意が必要だ。

5)自分の好きなクルマやグレードが選べる「オートローン」

 素直に「ローン」で購入するという手段を選べば、リセールバリューを気にせずグレードやボディカラーといった仕様を選ぶことができるのはクルマ好きとしてはメリットだろう。場合によっては6年ほどの長期支払いになるケースもあるだろうが、いずれにしてもローンを完済すれば、所有者も自分になり名実ともに愛車を手に入れることができる。

 ただし、長期ローンを組むほどトータルでの金利負担が大きくなってしまうのはデメリットだ。一方で、ディーラー系のローンを利用すると値引きが大きくなる傾向もある。そのあたりのトータルでの支払い額についてしっかりと計算して検討するのが賢いローンの利用法だ。

6)長期保有するならもっともローコスト「現金払い」

 購入時の負担は大きいが、トータルでの支払い額についてはもっとも抑えることができるのが「現金払い」だ。金利もかからなければ、リースのような違約金も発生しない。さらに納車されたときから車検証の所有者欄に自分の名前が入っているのは、マニアックだが所有欲を満たしてくれる。

 欲しいクルマの購入費用をポンと支払えるだけの余裕があれば、まったくデメリットのない買い方ともいえるが、欲しいクルマを現金で買うために貯金を続けているというのは人生として見ると損といえる面もある。本当は若いときに乗りたかったのに、お金が溜まったときにはライフステージが変わってしまい、購入に踏み切れなかったとなれば、なんのために我慢してきたかわからない。そうであればローンでもなんでも利用して、乗りたいときに乗ってしまうのが、カーライフとしては充実しているかもしれない。

7)ホンダから登場! 現金購入と残価設定のハイブリッドタイプ

 では、金利負担をなくして、なおかつ貯金が目標まで達していなくても新車を買う方法はあるのか。じつは「ある」のだ。それがホンダ系ディーラーのはじめた「バリ保」と呼ばれる買い方で、現金購入と残価設定ローンを足して割ったような仕組み。ようは残価設定ローンの支払い対象額にあたる部分を、最初に現金で支払うというもの。

 毎月の面倒な支払いや金利負担をなくすことができる新しい新車の買い方だ。ただし、こちらも3年後に本当に所有しようと思ったら、残価を一括で支払う必要がある。そのため、結局は3年間お金を貯めておかなくてはいけない。ただし、現金購入でもできるという予算のあるユーザーが「バリ保」を利用することで、余った予算を投資してうまく回すことができれば、3年後には資産が増えている可能性もある。もちろん、減ってしまう可能性もあるので、捕らぬ狸の皮算用にならないよう気をつけてもらいたい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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