【今さら聞けないタイヤ基礎知識】ゴムの塊なのになぜ高い? ヨコハマタイヤがズバリ答えます (1/2ページ)

【今さら聞けないタイヤ基礎知識】ゴムの塊なのになぜ高い? ヨコハマタイヤがズバリ答えます

見た目はゴムの塊でも内部は複雑な構造で走りを支える

 前回に続き、低燃費タイヤの真実を追求するべくタイヤの開発エンジニアをインタビュー。今回も横浜ゴムのタイヤ製品開発本部の栗山正俊さんに、タイヤに関する素朴な疑問を問いかけました。

横浜ゴムの開発エンジニアである栗山さん

高野:クルマ好きの多くは、「良いタイヤを履くとクルマの走りや燃費が劇的に変わる」事実を認識しております。しかし、高性能タイヤは値段の高さが気になり、ユーザーとしてはそこが辛いところです。シンプルに考えて、良いタイヤは良い素材を使っているから高額になる、ということなのでしょうか?

栗山:はい。もちろんわれわれとしてしても価格を抑えることを強く意識して開発していますが、どのカテゴリーのタイヤもフラッグシップ製品には最高の技術と素材を投入しているので、おのずと値段も高くなってしまいます。スポーツ系のタイヤは大径サイズが選ばれる傾向が強いので、値段が高くなるイメージも強いのかも知れません。

ヨコハマタイヤのスポーツタイヤであるアドバンの2モデル

高野:フラッグシップ系のスポーツタイヤでも、サイズが小さければ比較的安くなりますよね。標準装着のタイヤが15~16インチぐらいであれば、フラッグシップタイヤを選んでもそれほど高くならないので、皆さんにオススメしたいと思います。タイヤはゴムの塊だと思われがちですが、最近のタイヤは構造がかなり複雑で、高度な技術が盛り込まれているというのは本当でしょうか?

栗山:本当です。タイヤの基本構造は、まず骨格となるカーカスをポリエステルなどの有機繊維で構成し、リムと接触する部分は金属製のビードワイヤーで強固なものとします。さらに剛性を上げるため、カーカスを巻き上げるようにして取り付けます。そこからスチール製のベルトで抑え込み、空気を入れても風船のように丸く膨らまないようにしなければなりません。
乗用車用ではこれが2枚、トラック用などでは3枚とするなど、より強度を増したものになります。乗用車用でも速度レンジが高いものは、さらに補強が入ることもあります。その上にトレッドパターンのゴムが巻かれ、全体で10数種類もの部材で構成されるのです。
こうした基本構造は、乗用車向けのタイヤではどのカテゴリーでも変わりません。ただ、フラッグシップ製品では、金型やサイプ埋め込み作業がより複雑で、また目標性能を厳しく評価し確認する工程も多くなります。さらに、ゴムや金属ベルト、カーカスなども高性能素材を使用するためコストはどうしても高めになってしまうのです。

ヨコハマタイヤの内部構造

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