「登録車」は相変わらず前年比マイナス! 「軽自動車」だけがコロナ禍からいち早く「回復」できたワケ (1/2ページ)

7月の新車販売台数の40%を軽自動車が占める

 ほかの業種と同様、クルマの売れ行きもコロナ禍により大きな打撃を受けた。2020年4月の国内販売台数は、対前年比で28.6%減っている。5月は44.9%に拡大して、6月も19.8%のマイナスだった。

 しかし7月は減少が13.7%に収まる。小型/普通車は20.4%減ったが、軽自動車は1.1%だから、前年と同等に回復してきた。その結果、7月は国内で新車として売られたクルマの40%が軽自動車だ。2020年1〜7月の累計で見ると、軽自動車比率は37%だが、7月は大幅に増えた。

 つまり需要の回復が、軽自動車は小型/普通車よりも早く訪れている。とくにスズキの軽自動車届け出台数は、対前年比が11.4%のプラスになった。ダイハツも1%増えている。マツダは10.8%増加した。

 そこで各軽自動車の売れ行きを見ると、スズキは新型になったハスラーの上乗せ効果が大きい。発売は2020年1月(発表は2019年12月)だから、7月は前年の2倍以上売れた。スペーシアも5.1%増えて、ジムニーは台数自体は少ないが、前年の1.6倍届け出されている。

 ダイハツの軽自動車の対前年比は、7月もマイナスが目立つが、新型車のタフトが加わった。この届け出台数が他車の減少を補って、ダイハツ全体では1%の微増になった。

 マツダも台数自体は少ないが、ハスラーのOEM車になるフレアクロスオーバーは前年の3倍以上売れた。

 このような新車効果に加えて、ほかの軽自動車の需要回復も早い。ダイハツの販売店に尋ねると「コロナ禍で営業時間を短縮したが、飲食店と違って休業要請は受けていない。来店されるお客様には手の消毒をお願いして、商談スペースにも透明の間仕切りを設けた。感染を防ぐ対策を施しながら営業を続けた結果、6月からは需要が戻っている。タフトの販売も堅調」という。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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