いま新車を買うなら絶対「クルコン」に注目! 「付いてるだけ」じゃなく「本当に使える」ACC搭載車11選 (2/2ページ)

停止保持機能や再加速性能、スイッチの押しやすさなどがポイント

 とはいえ、現時点で、国産車で3D高精度地図データを使ったナビゲーション、ACCを装備しているクルマは限定される。ここでは、3D高精度地図データなどのナビゲーション+ACCのクルマのなかで、比較的ACC機能に優れたクルマを紹介したい。なお、渋滞追従機能なし(一例として約35km/h~約115km/hでしか追従しない)の低機能ACCのクルマは除外する。

 まず注目してほしいのは、再加速性能において、電動車が有利だということ。EV、PHVなどはトルクが瞬時に立ち上がり、再加速性能に優れているからだ。ガソリン車より、クリーンディーゼル車が有利なのも、同じ理屈である。

 もうひとつのポイントが、加速、減速時のスムースさ。クルマによってはとくに減速時、乗員がつんのめるような減速制御を行いがちなクルマ、ACCもある。せっかくのACC機能も、かえって不快になってしまうのだ。

1)スバル・レヴォーグ(アイサイトX)/日産スカイライン(プロパイロット2.0)

 ステーションワゴンのジャンルでは、ドライバーの気持ちをリアルタイムで察してくれているかのような制御を行う新型レヴォーグのアイサイトX搭載車、セダンのジャンルではスカイラインのプロパイロット2.0搭載車がベストなのは当然である(高価だが)。

2)スバルXV アドバンス/日産エクストレイル

 それ以外のクルマのACCでは、クロスオーバーモデルならスバルのアイサイト搭載の、豊潤なトルクをもつスバルXV アドバンス、日産車のプロパイロット搭載車のなかではエクストレイルが追従性能において合格レベル。以前セレナとエクストレイルのプロパイロット装着車を比較したが、追従性能やレーンキープ性能でエクストレイルが優れていた。クルマとの相性、と言ってしまえばそれまでだが、重心、空気抵抗、車重などの要件が、プロパイロット機能に影響するということだ。

3)ホンダ・フィット

 コンパクトカーではホンダ・フィットが秀逸だ。電子パーキングブレーキの採用で渋滞追従機能が付き、停止保持まで可能になっただけでなく、加減速のスムースさ、ステアリング制御を含めた総合性能で国産コンパクトカーのACCをリードしている。ちなみにガチライバルのトヨタ・ヤリスのACCは電子パーキングブレーキが見送られたため、渋滞追従機能なし。軽自動車でさえ全車速域対応のACCがある時代にもかかわらず、30km/h以下では作動しない旧世代タイプのままなのがとても残念だ。

4)トヨタ・ヤリスクロス

 しかし、コンパクトクロスオーバーのジャンルでは、ヤリスクロスがいきなりトヨタ最新のトヨタセーフティセンス、電子パーキングブレーキとともに、渋滞追従機能付きACCを採用。高速走行の機会が多いユーザーなら、ヤリスよりヤリスクロスがベターだと思える。

5)ホンダN-WGN/日産ルークス/三菱ekスペース/三菱ekクロススペース/ダイハツ・タフト

 最後に軽自動車のACCについて。日本で一番売れている軽自動車のN-BOXは旧世代の約30~115km/hでしか作動しないが、N-WGNは渋滞追従機能&停止保持機能付き。プロパイロット付きの日産ルークス、プロパイロット同様のマイパイロット付きの三菱ekスペース、ekクロススペースも同様だ。ダイハツでは最新のタフトからACCに停止保持機能(3分間)が付くようになっている。ただ、減速制御はやや唐突だ……。

 念のため、これからのACCに必要なポイントを整理すると、全車速域追従(渋滞追従含む)、電子パーキングブレーキ採用による停止保持機能、再加速性能の良し悪し、そしてもちろん、ステアリングスイッチによる操作、設定のしやすさである。

 ACCに多くを期待してクルマを購入するなら、ぜひ、試乗でACCを使ってみることをすすめる。高機能と使いやすさ、自然な制御は別だからである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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